まず1人
『でも、仲間を探すって言ったってどうやって…』
なんの手がかりもないまま、祀は歩き始めた。考えているうちに、日が暮れてしまった。祀は公園のベンチに座ることにした。
『どうしようかなー』
そう悩んでいると声が聞こえた。
『や…くだ…い…やめてくださいっ!』
祀はすぐ声のする方へ走った。するとそこには塾の帰りと見られる女子中学生が、3人の男に抑えられていた。
『その子を離しなさい。』
祀は睨み付けた。
『お、お嬢ちゃんが相手してくれるのかい?』
男が祀の腕を掴んだ。一瞬だった。男はいつの間にか、遠くの砂場に飛ばされていた。祀は1回の蹴りで、男を遠くに飛ばしたのだ。
『くっ…覚えてろよ!』
男たちは逃げていった。
『あっ、ありがとうございます!』
『ん?あぁ、いいよ別に。家どこ?』
『ここから10分ほどで着く所です。』
『送っていくよ。』
祀は笑いかけた。
『いいですよ!大丈夫ですっ!』
『さっきみたいなことになるかもしれないし、こんなに暗いからね。送らせて。あと悪いんだけど、一晩泊めてくれないか?』
『お兄ちゃんが良いって言えば…大丈夫ですよっ』
祀と女子中学生は暗いなか、女子中学生の家まで歩いていった。
『お兄ちゃんただいまー』
女子中学生は大木な声で言った。
『みちる!遅かったじゃないか!どこ行ってたんだ!』
そこには女子中学生がの兄らしき人がいた。ずいぶんと顔の整った男だった。
『男の人に襲われそうになった。』
『だっ、大丈夫だったか!?』
『うん。この女の人が助けてくれた。』
『女の人?』
妹が心配だったのだろう。祀の存在をみちるの兄は今始めて知った。兄は祀を見た瞬間、持っていたケータイを落とした。
『祀…?』
『な、なんで私の名前を知っている?』
兄は深く頭をさげた。
『祀姫。お会いしとうございました。』
『お、お兄ちゃん!?どうしたの!?』
祀も一瞬理解できなかった。
『…!もしかしてっ…お前っ…』
『そう、私はあなた様の使いでございます。 』
『名前は?』
『幹也と言います。』
『よろしくな』
『誠心誠意お仕えします。』
『…2人とも何の話してんの?…』