2/5
死
『ちょ、祀!?』
『早く…早くしなきゃ…』
祀は学校の敷地から出た。学校の前の道路に子供が飛び出そうとしていた。
『間に合って…』
祀はその子供を助けようと走っていたのだ。このことを祀は全て予測していたのだ。
『あの子を助けられるならっ…』
飛び出した子供に向かって、祀はいまある全ての力を出して飛び出していった。
キキーーーーッ!ドンッ!
向かってきた車のブレーキ音と鈍い音がした。
『お、おい!大丈夫か!』
車の運転手は声をかけたが、返事はなかった。
『残念ですが…』
病院で医者が言った。
『そんな…』
一人の女の人が涙を流した。
『…まだお若いのに…』
医者が見た先には祀がベッドに横になっていた。そう、轢かれたのは祀だった。
『祀っ…祀っ…』
祀の母親は泣き崩れた。
祀はそのまま深い眠りについた。