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序章

失業したから書く!

 「世界が何を望んでいるか、なんてことをいちいち考えてしまうのは、実は人間の傲慢なのかもしれない。」


 そう考えるようになるまでに、人類はもう一度大きな世界戦争をする必要があった。

 もう一度「愚行」と呼ばれることを繰り返してしまったわけだが、それを「愚行」と断じるには、結局「愚行と断じることができる傲慢な人間」の存在が不可欠である。

 それに気づいてしまった人類は、同時に世界を人に見立ててお人形あそびをしているような感性を持つことは、大の大人にしてはちょっと恥ずかしい趣味だということに何となく気づいてしまった。

 我々が生きている世界はそんな残りの未来が少ないわけではないが、確実に老いと死に向かっていることを暗示させる「大人」の世界なわけだ。


(太洋連合2代事務総長ダニエル・アッシャー就任直後のインタヴューより)


 南極をもう一度凍らせよう!

 そのお題目は結構だ。

 だが、その為にまず南極の資源を採掘し、その富を南極圏の氷結のために使おうというのは、即物的に表現してしまえば「南極圏の資源を独占しよう!その為に争おう!」といっているに等しいわけだ。

 実際、南極圏を氷結させる「技術」に関してはなぜか研究がおざなりなままだ。

 FAZとその支援国の姿勢にははなはだ疑問を持たざるを得ない。

 結局、だからこそ、我が国も南極独占に異を唱える意外に方法がないのだよ。

 南極氷結、環境保護回復に否定的だと見られることは極めて遺憾だ。


(オーストラリア連合政府 環境保護相ケネス・ジョイスナー オセアニア・ニュースへの寄稿より)


 南極圏を氷結させるためにもまずその技術の確立が第一。

 正しい考えだ。

 では、その技術の確立ためにも資源を採掘し、その潤沢な資金の基研究を、というのは果たして間違っているのか?

 オーストラリアをはじめとする諸外国の懸念は第三者的に見て、我々FAZが富を独占しているという現実に嫉妬しているという第三次大戦前のエネルギー独占主義の残滓といっていい。

 いい加減にして欲しい。

 南極を氷結させるためには何もかも全ての手を打つ。

 大儀は我らにこそある。

 もし、大儀がないのであれば、我らが南極資源に手を出す以前に排除されていただろうね。

 それが現実には、手を出してしばらく経ってからこういった話が出てくる。

 諸外国が嫉妬しているだけなのが実に良く分かる現象だよ。

 ……

 アルゼンティーナ?それがどうかしたのかね?


(FAZ資源管理局理事リュウ・トルファン オセアニア・ニュースへのインタヴューより)

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