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第二話:登録

『待ってくれー!』


 そう叫びながら男が走っていた。


『ふう…なんとか間に合ったな…』


 男は両手を机に置きながら息をついていた。


『おい若いの。休んでいるところ悪いが…』


 椅子に座っている老人が男に話しかけた。


『わかってるよ。ここに名前を書きゃいいんだろ?』


 男はやや強い筆圧で自分の名前を机に置いてある用紙に書き込んだ。



《ディオルガ=ハンリー》

 老人はその名前を見てぎょっとした。


『あんたは…』


『ああ…要するにな、俺みたいな変わり者もいるってことですよ』


 顔見知りであろうか。

 老人はやれやれといった顔が話しはじめた。


『変わり者か…この試験を受けに来る連中はわしから見れば皆変わり者よ…どうしてそんなに《永遠の命》を欲しがるものかの。全く解せんよ』



 不老不死の試験――。



 それは約4万年もの歴史を持つ試験である。

 この試験を通過した者だけが不老不死となる。

 参加希望者は会場のラクタリアル山の麓の村で登録を行い、はじめて試験に参加できる権利を得る。

 ディオルガ=ハンリーが急いでいたのはつまり登録最終日しかも時間ギリギリに来たからである。


『おや…』


『ん?どうした?』


『やれやれまた《変わり者》が来たわい…』


 老人はため息をついた。


『待ってくれー!』


 どこかで聞いたような文句を叫びながら少年がこちらに向かって走っている。


『ガキが受けるのか?まさかな』


 老人はディオルガ=ハンリーをちらっと見た。

 老人はまるでディオルガ=ハンリーもそこで走っている少年も大して変わらない所詮ガキであるとでもいいたそうな顔である。



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