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世界の寵児  作者: もち
大人と子どもの境界線
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 もちろん断固阻止ですよ。クイさんには結構きわどいところを見られてるんだよなあ、と思い出したりもしたけど、あのころは危機感の方向性が違ったのです。

 拒否を繰り返していると、あきらめたのか着替えを取ってきてくれた。


「とりあえず着替えようか。

 ……あれ、まだ結構でてるね。どれくらい続くんだ?」

「どれくらいって、1週間くらい? 明日はもっと多いよ」


 布を折りたたんだものを敷いた短いスパッツのようなものをはく。ところどころ文化レベルが低いなあ。

 ああ、憂鬱だ。おなかは痛くなってくるし、アレは不快なものだ。ただでさえそうなのに、ナプキンすらなく布オムツ。げんなりする。


「そんなに続くのか。うーん、困ったね。

 あたしたちは前兆があって、その後1回出血するだけなんだ。だからそんなに長い期間だとどうしたらいいのかねえ」

「前兆はよくわからないけど、大体月に1回あるよ。今回はちょっと間が空いちゃったけど」

「回数も多いね。そんなにあるならずっとこれでってのもかわいそうだけど……向こうではどうやってたかわかる?」

「え、と……。ナプキン使ってた。吸収がよくてもれないシート」


 しばらくナプキンについての説明をしていた。メモをとりながら真剣に聞いてくれた。もっと快適なの作ってもらえたらいいなあ。


「生理が来るのは初めてじゃないんだね。じゃあ発情もしてたのか? こんなに小さいのに」


 しみじみ言われた。発情……するわけがない。


「そんなのしないよ……もうっ。彼氏もいなかったし」

「マリカもあんまり反応しないんだね。種族が違うせいかねえ?」

「だからしないってば!」


 顔が熱くなる。なんでこんな話に……。


「そうかい? ねえ、マリカ。ヘルベルクランをどう思ってるんだ?」

「え、えっ、好きだよ?」


 いつの間にか結婚してたし。好きといえば好きじゃないかなあ。


「ふーん。じゃあやりたくなったら相手させな」


 ……。何を、やるのでしょうか。


「誰彼かまわずは駄目だからね。あいつじゃなくてもいいけど、いい男を選ぶんだよ」

「ちょっと待って。何の話?」


 聞いてはいけない気がする。でも聞かずにはいられない。


「発情したら交尾するだろう」

「しないよ! さ、さっきから……しないってば」

「反応したらだよ。そういうときがくるかもしれないだろう。

 あたしも生理はきてもあんまり反応しないんだよね。子ども作るときも面倒だった」


 会話がかみ合わない。そうだったこっちの常識は私の非常識だった。


「あ、あのね、私は、そういう風にはならないの。あと、結婚した人とじゃないとそういうこともしないの」


 ちょっと違う気もするが、経験のない私に詳しく説明するのは無理だ。


「ああ、そういうことか。……可愛いね」


 生ぬるい優しい表情で私を見つめて、頬を撫でられた。なんかあまり伝わってない気がする。

 こっちの恋愛観は本当によくわからない。


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