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猫型ロボット好きな女子高生による異世界救済。まずは食から改善しよう。  作者: ミジンコ


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第六話 偵察部隊、結成!

 モンスターの候補は色々あった。

 

 条件としたのは、まず広い範囲を探索できること。

 これに関しては飛行型のモンスターに限定した。やはり地上を駆けずり回るよりも、空の上から一気に見た方が手に入る情報は多いからだ。

 

 それからモンスターの使い勝手の良さ。


 例えば、ハエぐらい小さいモンスターを選んだとしよう。


 すると身体が小さいから当然、探索できる範囲は狭くなる。それに極端な話、気付かずに私が潰してしまうかもしれない。

 あと単純にハエは嫌だ。

 一方で外敵に襲われにくいというメリットもあるだろう。必要な魔力も少ないだろうから、その分大量に作れるということもある。


 それに果たしてそういうモンスターを選んだとして、意思疎通が図れるかって心配もある。

 確かに本物のほんやくコンニャクならそれも可能かもしれない。 

 でも私が作ったのがそこまでの性能があるかは保証できない。

 

 だからモンスターの知能という部分も重要な要素なのだ。


 まあそこら辺はバランスを考えて選ぶしかないね。


 そしてもう一つの条件としてつけたのは、私の好みだ。


 決してふざけている訳じゃない。

 むしろ大真面目に選んだ結果だ。

 

 偵察用のモンスターを生み出したとして、その後はどうする?

 

 そこら辺に放逐するか?


 いや。自分で言うのもあれだけど、そこまで性格終わってない。


 作ったからには最後まで責任を取らなくちゃいけない。そこすら気にしないようになったら、私は自分を信じられなくなる。

 だから最低でも自分が愛着を持てるモンスターを選ぶべきだ。

 つまり、なるべくならビジュアルの良いモンスターがいい。


 そうした色々な条件を考えた結果選んだのが――


「ピューイ!」


 大型の鳥モンスター『ウィンドホーク』だ。

 和名にすれば『風鷹』。


 その名の通り鷹を原型にしたモンスター。というか姿形はほとんど鷹と一緒。


 違う所でいえば、まず大きさ。

 普通は鷹匠なんてあるぐらいだから腕に乗るようなサイズのはず。でも目の前のそいつは、頭が私の腰ぐらいに来ている。さすがに乗れはしないけど、ぶら下がって飛ぶことぐらい出来そうかも?


 あともう一つは体色だ。

 羽が先端にいくほど緑がかっている。全体的に茶色と緑のグラデーションみたいになっていた。


 必要とした魔力は五百。


 これなら各方面に二匹ずつ作ってもまだ余裕がある。


 取り合えず、コミュニケーションをとってみるのが先だな。


「こんにちは、ウィンドホーク。自分のことと、今の状況は分かる?」

『はい。私はウィンドホークで、貴女は私を生み出した創造主にしてこのダンジョンのダンジョンマスターです、ご主人様。それで私は何をすればいいのでしょうか?」


 ちょっとハスキーな女性の声が「ピュイ」という声に裏で聞こえてきた。どうやらこのウィンドホークは雌らしい。

 しかもこれだけはっきりと現状認識をして意思疎通が出来るってことは知能も高い、と。顔つきは迫力があるけど、それはそれで私好みだから問題無い。


 うん。指定した条件にピッタリだね。


 でもご主人様って……この子にとってはそうなのかもだけど、なんともむず痒いよ。


「えっと、うん。君にはダンジョン周辺の偵察をしてもらいたいんだ。具体的には人里を見つけて欲しい。情けない話、自分がいる場所がどこなのか分からないんだ。だから人間から情報収集がしたいの」

『なるほど。そういった事情があったのですね。承知しました。そういうことなら私にお任せください。空からの偵察は得意とするところです!』

「うん。期待してるから、よろしく頼むよ」


 これはもうウィンドホークで決まり――と、その前に。


「君の飛ぶ速さを確認したいんだけどいいかな?」


 しっかりと能力を確認しておかなくちゃいけない。

 ウィンドホークも了承してくれたので揃って外に出る。

 

 羊どもが草を食ってるのを横目に、ついさっきアイテム生成で作ったロープの一端をウィンドホークの足に結んだ。


「それじゃあ、このまま向こうに向かって飛んでもらえるかな。まずは普通に飛ぶ速度で、次に全力で飛んでもらうからそのつもりで」

『承知しました。では――行きますっ!』


 そう言うと、ウィンドホークは翼を大きく羽ばたかせて放たれた矢のように飛んで行った。

 その際に凄い風圧が発生して、台風みたいな風が起きる。

 お陰で髪がぐちゃぐちゃになった。


「わお……すっごい」


 それでもちゃんとやることはやっている。

 

 ウィンドホークが飛んで行った瞬間、胸の中で秒数のカウントを始めた。


 1、2、3…………15ッ!


 その瞬間、こっちに残していたロープの端が引っ張られて飛んでいった。


 あのロープは一キロメートルのものを用意した。それが十五秒後で引っ張られたってことは、一キロメートルを通過するのに十五秒。分速に変換すれば四キロメートル。時速にすると……


「240km……新幹線よりちょっと遅いぐらい? ヤバいな」


 これが全力じゃないってマジで?


 い、いや。速い分には全然いいんだ。むしろ大歓迎。


 これなら一日偵察してもらうだけでかなりの範囲を調べることが出来るはず。というか全力を測る必要なくない? まあやるんだけど。


 ウィンドホークには三十秒数える間は飛んで、そうしたら帰って来るように伝えている。あと一分もしないうちに帰って来るだろう。

 内心ウキウキ気分で羊の食事風景を見ながらウィンドホークが帰ってくるのを待つ。すると少しして私の隣にばさっと、今度は静かにウィンドホークが降りてきた。


『いかがでしたでしょう、ご主人様?』

「おかえり。想像以上に凄かったよ! もうばっちりって感じ!」

『ありがとうございます!』


 声音は落ち着いてるけど、羽が小刻みにばさばさしている。

 もしかしてあれ、喜んでるのかな。犬が尻尾を振るみたいに。だとすると可愛い。


 それから今度は全速力で飛んでもらった。

 結果は――新幹線越え。

 ざっと時速四百キロメートル以上ってことは分かった。


 改めて、偵察役はウィンドホークに決めた。


「じゃあ皆。それぞれ決められた方角の偵察をよろしく。日が暮れる前に帰って来るんだよ?」

『『『『行って来ます!』』』』


 そうして最初の一匹に加えて追加で作った三匹。

 計四匹のウィンドホークはダンジョンから四方へと飛び去って行った。


 今日中に人里が見つかればいいんだけど、さすがにそれは高望みし過ぎかな?


 ウィンドホークを見送った後、ダンジョンに戻る。中にはすでに羊どもが戻って来て悠々自適に寛いでいた。あれって寛いでるのか? よく分かんないけど。


 さて、次にやるのはこの広い空間を利用した居住スペース作りだ。


 今ダンジョンに溜まっている魔力は、元をただせばこの羊どもから回収したもの。だったら彼らのために使ってやるべきだろう。

 その次にウィンドホークたちの居場所も作ってあげないといけない。これは飼い主としての責任。

 そして最後に私の場所だ。


 あれ何で私が最後なんだ?


 私、ここの主ぞ?


 ……まあいいや。


 取り合えず羊たちに要望を聞くか。


「ここに住んで欲しいんだけど、何か要望ってある?」

『うーん。石より土の地面がいい~』

『あと食べ物~』

『お日様~』

『ぽかぽかは丁度いい~』

『広くして欲しい~』

「なるほど」


 取り合えず片っ端から聞いた意見をまとめるとこんな感じ。

 一先ずはここに住んでくれるってことで良さそう。このダンジョンの住人第一号ってことだね。


 ようは外と似たような環境をダンジョンの中に作れってのが要望らしい。だったら外でいいだろって思うけど、ダンジョンの中ってことが重要らしい。あと外で過ごされると私が困る。


 早速<ダンジョンマスター>の力でリフォームを開始する。


 羊には一旦ダンジョンから出てもらってるから、ちゃっちゃと終わらせよう。


 まず広さを今の三倍にする。

 ウィンドホークの住処も作るから、これぐらいあってもいいでしょ。


 それからダンジョンの景観を変える。

 

 地面に土を敷き詰めて、そこに牧草を生やす。

 壁と天井は外の景色をトレースするよう設定した。内側からは外の景色が見えるけど、外からはただの地面にしか見えない。マジックミラーみたいなものだ。


 これで地面とご飯の牧草、太陽の光、広さの問題はクリアだ。


 後は何かやっておく必要はあるかな?


 うーん……そういえば羊って草だけじゃなくて野菜とかも食べるっけ。


 そう思って念のため確認してみた。アイテム生成でニンジンを作って羊の前に持っていってみる。すると匂いを嗅ぐ動作のような後、パクリと口に咥えた。


『もぐもぐ……うまい~!』


 とのことで、畑を作ることにした。


 ただし残念ながらダンジョンマスターの力を使っても、畑そのものを作ることは出来ない。どうやら畑はダンジョンと認識されてないみたい。まあたしかに納得ではあるけど。


 せいぜい出来るのは、出来合いの野菜かその種を作るぐらいだった。


 思わぬところで融通の利かなさを感じつつ、取り合ず畑用の敷地は確保した。

 時間と魔力が揃ったら、畑作りに使えるスキルスクロールを使おう。こっちも目星は付けておけばいい。


 正直、一から開墾とかやってられんわ。


 それから草原の一画に森を作った。

 もちろんウィンドホークたちが住めるようにだ。


 といってもそんなに広い森は作れなかったんだけど。

 一先ずは適当な広葉樹で木を選んでみた。

 あとは本人(本鳥)から要望を聞いてからやればいい。


 出来上がったダンジョンに羊たちを招き入れると、かなり喜んでくれた。

 皆して一斉に「めえ~!」と鳴きだして一瞬何事かと思ったけど。

 日の光も外と変わらないらしく、牧草も食べてみたら美味しかったらしい。ちなみに牧草に関してはダンジョンの設置物なので時間経過で回復する。ざっと一時間もあれば元に戻ると思う。

 食べ放題だよ、良かったね。


 お陰で残った魔力はごく僅かだけど……


 さて、いよいよ自分の住処に取り掛かろう。


 場所は面倒くさいから草原の端っこでいいや。

 外が見えても一応地下だから、雨が降っても関係無いし。


 まずは壁に扉を一つ付けた。中には一畳以下の狭い個室が一つ。

 そこに便座を設置してはい完成。トイレである。


 次にその隣に個室をもう一つ。今度はさっきよりも広い部屋だ。

 そこに浴槽を設置してはい完成。お風呂である。


 ラスト。ドーム型のテントを設置。イメージとしてはグランピングとかでよくある、あれ。形でいえばゲルとほぼ同じだ。

 その中にベッドを一つ設置すればこっちも完成。寝室である。


「はぁ~~~……」


 出来上がったばかりのベッドに横になる。


 ……何でだろう。


 待ち望んだ寝具のはずなのに、この満足できない感覚は。

 もっといいものを知ってしまったがゆえ、なのだろうか。


「今日もお世話になるかも……」


 お礼として野菜の詰め合わせを用意しておこう。


 そうして改装したダンジョンをあちこち見て回りつつ一周してくる。

 特に異常らしい異常も無かったから大丈夫そうだった。


 その後は久しぶりにシャワーを浴びたり、ベッドで寝転がったりしながら怠惰に時間を潰すて過ごす。

 辺りが暗くなってきたなってタイミングで、ダンジョンの入り口の方から羽が羽ばたく音が聞こえた。出ていくとやっぱりウィンドホークたちが四匹とも帰ってきていた。


『昼の今で、随分と様変わりしましたね……さすがはご主人様です』

「お疲れさま。君たちように森も作ったから今日はそこで休んで。もし何か要望があったら後で聞くから遠慮せずにね」

『ありがとうございます! あ、本当に森がある!』


 入口からも森は見えるからね。喜んでくれてるようで何よりだ。


「ところで、偵察はどうだった?」


 あんまり期待しちゃいけないと分かっていても、どうしても逸る気持ちが抑えられずに聞いてしまう。

 するとウィンドホークたちは自分達の偵察結果を口々に報告し始めた。


『おっと、失礼しました。見つかりましたよ、人の集落が』

「……え、本当に!?」

『あ、私も見つけた』

『え、そっちも? ウチの方も見っけたよ?』

『え~三人ともずるい。わたしの方は無かったんだけど~』

「ふぁっ!?」


 こ、れは…………

 

 聞かなくちゃいけないことが多そうだね……

いかがでしたでしょうか?

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