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無題一  作者: 去岳 阿礼
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無題弐

急げ 花が枯れる前に

瞬間のこと 貴女が私を見た時

唇は雨の清きに打たれる桜の真珠

それが言う――私が言う前に

クレバスと裂ける貴女の細指

それが持つ――私ではない物を

肉と肌、私を狂わせる柔なる楽園

それが在る――私の在る奥底に

華よ 貴女の顔が私を絞め殺す

無き日々の面影を再び灯す

華よ 貴女の顔が臓腑を抉っている

鼻骨 眼球 唇 肌血管 白い すべすべとした 柔らかい肉 歩行 

存在の霧に濡れる性――言葉!

私の心臓に手をかける、貴女の指先が、私を引き裂きながら!

見てはならない

死んでしまわぬためにだ 花よ

殺すかもしれない ただ生きていて欲しいから

どうして私を見るのですか

花よ 貴女に摘まれたい

花よ 貴女がずっと小さいならば

欲しい、と私は言うだろう 恥知らずにも

悪霊のように後を付けていたい

神のようにするためだ 貴女の心臓を閉じ込めておくためだ――私の手の中に

無恥な空想 何もない恋心の外に在って

それは何という傲慢だろう

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