11月14日
カラスは何を求めて飛んでいるのだろう
この空は遠く高くそれでいて何も無い
それはまるで私の心のよう
敵から逃げるため?
餌を見つけるため?
生きる術を求めた結果
今彼らは空を飛んでいる
きっとカラスはいやいや飛んでいるのだろう
そんなわけはないか
きっと少しは優越感を感じているんだろう
集団で蠢く人間を見て
彼らは何を感じるのだろう
気持ち悪いと感じるのだろうか?
私は昔鳥のように空を飛びたいと思っていたそれは空を飛んでいる鳥たちは自由奔放で
図鑑で見た鳥たちは色とりどりの羽で飾られて
とても綺麗で可愛らしくて
見ているだけで楽しかった
だけどまちのどこにでも飛んでいるカラスなんて
眼中になかった
時が経って
今の私が毎日見る鳥と言ったら
カラスと鳩だけだ
幼い頃、あれだけいた雀も
今となっては、あまり見なくなってしまった
寒い冬に集まり固まって暖を取る彼らは可愛かった
きっと幼い頃の私は純粋に
綺麗で可愛い物に憧れていたんだ
それなのに今は私は
綺麗で賢い者に憧れている
きっとそっちの方が生きていく上で有利だと知ったからだ
私が歳を重ねてわかったことは
大人にとって可愛いとは見た目の若さであって
綺麗とは心の有り様で全く違う物だと言うことだ
それに気づいた頃にはもう遅かった
見た目だけはいくらでもとり繕えるでも、
中身だけはどうしようもなかった
その中身が私にはなかった
だから三十路を超えてから私は焦った
しかしどれだけ中身は埋めようと
たくさんの本や人の考えに触れてきたが
結局、いつもの知識だけが増え
精神的な成長はあまり変化は無かった
ただ私は何がしたいのか
何のために生きてるのかを考えるようになった
今まで親に言われた通りに勉強し就職して働いてきた
私にとってそれを考えるようになってから
如何に自分と言う人間が空っぽであったかを
思い知らされた
それは私をより追い詰め苦しめた
それを誰かの愛で生きる理由やらなんの為かを
埋めようとしたけど
それはテープのようなもので
穴が見えないように隠しているだけ
時間が経てば、
テープの粘着力は弱くなって
気づけば剥がれ落ちていた
きっとテープをぐちゃぐちゃに丸めていれたところで
結果は何も変わらなかっただろう
埋まることがないこの穴が
いつか満たされる日は来るんだろうか?