#0 プロローグ
もしも、僕に彼女がいたら。そう考えることは少なくない。みんなもそうだろう。でもこれは夢であってほしいくらいに悲しいかなしい恋のお話。
「年度の最後だから告白くらいされると思ってたのになぁ」
そんなくだらない話をしながら友達と帰っていた。家につきふとスマホを見ると一件のメッセージが届いていた。
「あれ?なんだろう」
『今時間ある?』
クラスの女子からだ。急なメッセージに疑問に思いながらも「あるよ」と返信した。すると、
『ずっと前から好きでした!付き合ってください』
僕は茫然とした。うるさい心臓。熱くなる身体。僕はすぐに
『僕でいいなら。よろしくお願いします。』
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良くないのだ。僕には好きな人がいる。そう、元カノだ。振られはしたが僕はまだ元カノのことを忘れられない。あの人が僕に向ける愛情が僕は好きだった。あの愛情はもう僕に向くことはないのに。
痛む傷をいやすかのような告白に感じた。僕を求めてくれているのが。すごくうれしくて愛おしく感じた。
彼女が元カノとの思いを、あの感覚を、忘れさせてくれる。そう思い込んでいたのだ。
元カノの「愛情」という名の「猛毒」から抜け出すための「愛情」が彼女だと僕は思い込んでいた。
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きっと彼女が何もかも変えてくれる。僕を愛で包んでくれる。そんな甘い考えがあった。
そうして中学2年が終わり、新しい春が訪れようとしているのだった。
この後に訪れる、悪夢なんて想像もせずに。




