第82話 昔と違う(ウルクル視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(ウルクル視点)
ほほほ。
ほほほ……良いことじゃ。
我が息子であるアウルじゃが、久しぶりに会うリーシャの異能のことで……まあ、農耕よりも意欲的になるのは少々呆れるが。
それでも、輝かんばかりの笑顔になるのは良いことじゃ。食堂に敢えて行かぬ時期ゆえに、楽しみを奪ってしまったことには変わりない。
妾は神じゃが、あの子は半神半人。ラスティの血を受け継ぐ混じり子じゃからの。いずれ、神へ転身するのに少しずつ冬眠などをして肉体を馴染ませねばならん。
その時期の一つが過ぎたゆえに、褒美としてリーシャのパンを提案したんじゃが……共に作りに行きたいと言うとは。妹のような存在だからか、もしくはそれ以上か。聞かぬでいるが、リーシャ自身はフィーガスの息子と相思相愛らしいからのお? つけ込む隙はないと思うが、あの子は聡いから気をつけているはずじゃ。
だから、遊びたいと言う子どもらしい気持ちで向かったかもしれん。
共に作る喜びは、誰かとでなくては出来ん。アウルもそれは日々、ラスティや妾と共感しておるはずじゃが……本音はどうか。
探っても良いが、あれらの楽しみを奪ってはいかん。
妾は妾で、行くところがある。寮の方へ向かえば、歩きがおぼつかない赤児が急に出てきおったわ。
「あーう、あうー」
『おやおや?』
転けそうな勢いだったゆえに、急いで飛んで抱えてやれば……赤児は嬉しかったのか、楽しげに笑いおった。
「ナイラー!?」
奥の方から駆け寄ってきたのは、紫の長い髪の女子……この子の母であるエピアじゃった。
『ここじゃ』
「ウルクル様!? ありがとうございます!!」
妾が差し出せば、エピアはすぐに受け取り。はしゃぐナイラをよしよしとあやしおったわ。
『また大きくなったか?』
「はい。……ちょっと目を離したら、すぐにどこかへ行って」
『良い良い。子は元気が一番じゃ』
「ふふ。……何かご用があったのですか?」
さすがは、エピア。ラスティの姪であり部下。
チャロナとは友であり、子らの交流は良き様子。
アウルとも、かなり仲が良いのじゃ。
『うむ。アウルが久しく目覚め、リーシャ達のところに行きおった。菓子パンを作るらしくてな? たまには見に行かぬか? 気晴らしになるじゃろう』
「え? リーシャ様が?」
『うむうむ。最近のパンが、あの子の作るものも混じっているのは知っておるじゃろう?』
「ええ。……けど、アウル様にも?」
『起き抜けの褒美にはいいであろう?』
「ふふ。そうですね」
良き夫を得たことで、良く笑う女子になったものよ。大昔とは大違いじゃ。
次回は金曜日〜




