第77話 よかろう(フィルド視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(フィルド視点)
うむうむ、よかろうぞ。
その願い……聞き届けようぞ!
リーシャは日々成長しておる。そのナビゲーターであるミアが成長したいのであれば……ptも適宜貯まっておるし、特典といこうかの? ユリアも横にいたが頷いてくれたわ。
「ええ。あの子の願い、聞き届けましょう?」
「そうだな? オーブンもないんじゃ、食パン以外のパンも焼きにくいだろう」
じゃから、ロティに組み込んだ変換のひとつの『オーブンレンジ』を分けてやろうぞ。
指を鳴らし、緑の球体を生み出し……ミアの体内に埋め込んだ。これでよかろう。
「楽しみだわ。あの子達が作るパン」
「ああ。もっともっと、美味いパンを虹の世界に広めてほしい」
チャロナもいずれ言うかもしれないが。
異なる世界からの転生者である事実を、あの幼い子どもがどう受け止めるか。
いくらか心配ではあるが……大丈夫じゃろう。何せ、チャロナの子どもじゃからな。不思議と安心も出来るのじゃ。
そして、ミアに組み込んだ変化を……水鏡越しに覗いたら。
『『『えええええ!?』』』
蒼の世界で言うところの、オーバーリアクションとやらに、全員なっておったわい。愉快じゃが、リーシャはすぐにミアに抱きつきに行ってペタペタ触っていた。
やはり、あの子は芯が強い。感情の揺れ幅は大きいが、きちんとしておる子じゃ。だから、セシルも惹かれたのじゃろうよ。
今日は来ておらぬが、どうしておるかのお?
別の鏡を展開すれば……父親のフィーガスに魔法の訓練を受けておったわい。リーシャへの気持ちを自覚したことで、己を極めたいのじゃろう。良い傾向じゃ。
次回は木曜日〜




