第68話 子どもの恋愛相談(マックス《悠花》視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(マックス《悠花》視点)
「……一大事だと思うのよ、チーちゃん」
前世でも、現代でもマブダチであるチーちゃんが、生まれて間もない赤ん坊をあやしながらなんだけど……あたしの話を聞いてくれてるわ。
王妃様そっくりの美貌で、彼女は『うん?』って首を傾げているだけだけど。
「何が?」
「あんたの子どもについてよ」
「ディオスじゃないなら、リーシャ?」
「その様子なら、気づいているんでしょう?」
「セシルくんのこと?」
「やっぱ気づいているんじゃない!?」
自分の子どものことでしょう!?
セシルがリーシャに惚れていることに、なーんでのほほんとしてるわけ!?
あたしがちょっと声を荒げたから、ディオスがぐずりそうだったんで……慌てて二人であやしたけど。
「あの日でしょ? 私だって、流石に気づいたわ」
「……野放ししてていいわけ?」
「フィーガスさん達の子どもだけど、必要以上にしっかりしてるから……任せてはいいと思ってるわ」
「……リーシャの方は?」
「まだ自覚症状はないけど、本能で追いかけたのなら本物よ」
「……あんたとカイル以上に面倒そうに見えない?」
「あら。そう言う悠花さんだって」
「……墓穴掘らないでよ」
チーちゃんには、エイマーとのことでは本当に頭が上がらないんだーけーどー。
それにうちの子も、あんまりチーちゃんとこを言えた状態じゃないのよね。
「ミラクルくんも、サリーちゃんにでしょう?」
「……なーんで、気弱な性格なのにお転婆嬢ちゃんを好きになるのかしら?」
あたしに似たのは髪色だけだけど……魔法のセンス以外は本当にあたしの子どもだなんて、他からだと信じられていないことが多い。
エイマーのボーイッシュな部分とかも似ず、ただただ自信が無さげでサリーやリーシャの影に隠れる気弱な子ども。
何があって、あのままでいるのか……あたしにはさっぱり見当がつかない。それでも、一端に男の部分は育っていたわ。あたしと一緒で、少し年上好きなとことか。
「いいことじゃないかな? 恋愛は自由だもの」
「……まあね。メイミーとレクターの血筋はよーくわかる子だけど」
「元気いっぱいに成長してる証拠じゃない」
「……そこのディオスはどう育つんでしょうねぇ?」
「健やかに育ってくれるなら、いいわ」
「……ほーんと、チーちゃんらしいわね」
カイルが、酒の席で『女神のようだ』とぼやいた意味がわかるくらい……今は成長して、立派な母親だわ。あたしも今は男だけど……一応それなりに父親になれているかしらん?
次回は金曜日〜




