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第63話 ライスバーガーの要

お待たせ致しましたー

 ライスバーガーにするには、ご飯をそのまま焼くと崩れるから……『つなぎ』のために粉を混ぜるんだって。美味しくないと思うんだけど?


 片栗粉って、にぎにぎすると固くなる粉……これで大丈夫なのかしら?



「繋ぎがないと、単純に焼けばバラバラになってしまうのです。パンははじめから繋ぎがあるので大丈夫なのですよ。おにぎりを召し上がられて、なにか気づきませんでしたか?」


「……そうだわ」



 おにぎりは食べると、少し崩れたのよね? そのままだと、パンで作ったハンバーガーと同じようにならないと思うわ。あたしは頷くと、シェトラスにご飯と片栗粉とかを入れたボウルを見せてきた。



「これをしっかり混ぜて、バンズのようにしましょう」



 ただし、厚さはお肉のパティくらいにして。フライパンで焼くと、ちょっとお醤油を混ぜたからか、いい匂いがしてきたの。シェトラスが焼いている間に、あたしとレイバルスは『カキアゲ』の準備をしていくわ。


 こっちはピーマン以外のお野菜がたっぷり。粉を混ぜて、どろっとしたものに混ぜていったら……レイバルスが油がたっぷりある場所で、ゆっくり入れて揚げていくの。二人とも大きいから後ろ姿しか見えないけど、とっても楽しそう。



『みゅ〜』


「いい匂い〜」



 幸せの匂いだわ。今日はサリー姉にミラクルも呼んでいるから、お昼ごはんは賑やかだと思うの。叔父様達も呼んでいるから、賑やかもすっごいはず。シュラ伯父様はややこしくなるからお声がけしてないけど……拗ねそうだわ、あの方の場合。


 けど、王太子のお仕事をほっぽってお祖父様にご迷惑かけることの方が良くないから、いいわよね?



「さて、ライスバーガーのメインはこのようになります」



 シェトラスがお皿に乗せてくれたのは、平たくてお醤油色のきれいなご飯だったわ。カキアゲの方も出来たけど、熱いからレイバルスは別のお皿に乗せていた。



『熱々だとすぐに崩れるでやんす』


「サンドイッチと一緒?」


「そのように思っていただければ。では、焼き肉の方も仕上げていきましょう」


「はーい」



 ピーマンを入れて本当に美味しくなるのか、まだ不安なところは大きいけど。シェトラスを信じて、フライパンの中で焼かれていく様子を見て、匂いも感じると……とっても良い匂いがしてきたわ。ピーマンの変な匂いが全然気にならないくらい!


 お皿に出されたのを見ると、ちょっときれいに見えたけど……お、美味しいのかなあ?


 じーっと見つめると、シェトラス達にくすくす笑われた。



「食べるのはあとにしましょう。お昼まですべて仕上げねば」


『そうでやんすねぇ?』


「はーい!」



 あたしの分担は、お米をこねて平たくするところだから……シェトラスが焼いている間に、何個も何個も作ったわ。いい匂いがちゅーぼーに広がるけれど、我慢するのよ、リーシャ! って、あたしは自分に言い聞かせたの……。こういう場所に居て、シェトラス達はいっつもご飯作っているのはすごいわ!

次回は木曜日〜

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