第56話 まずは下処理
お待たせ致しましたー
「俺も手伝う!」
ってことで、パン作りにはセシル兄も手伝ってくれることになったの。ぽかぽか嬉しいわ! クッキーとかのお菓子以外じゃ、一緒に作るのってはじめてじゃないかな?
サリー姉とミラクルは今日はいないし、子どもはあたしとセシル兄だけ。
今日は何を作ろうかなあ?
レシピ帳を取ってきてから、フィルドさんも一緒に見たんだけど。
「へー? リーシャ、これは全部作れるのかい?」
「ううん。ロティが持ってたレシピをミアもわかって、あたしが書いたの」
「……こんなにも、すごい」
「ありがとう、セシル兄」
セシル兄に言われると嬉しいわ。いつか、カレーパンも作って食べてほしいわ! 今日は違うものを作ろうと思うから、カレーパンは無し。
甘いもの? 塩っぱいもの?
どっちがいいか、フィルドさんに聞くと、フィルドさんはにっこり笑顔になってくれた。
「塩っぱい方がいいなあ?」
「うーん。ホットドッグ? とか?」
「いいねぇ。けど、魚はどう?」
「お魚?」
「……リーシャ、作れそう?」
「ちょっと待ってー」
レシピ帳をパラパラめくってみたんだけど……あったのは『フィッシュバーガー』って言うサンドイッチみたいなパンだったわ。昨日のチーズバーガーと同じような感じなのかしら?
そのページを二人に見せると、『おお』と言ってもらえた。
「これがいいな」
「……魚を揚げる?」
「ソースはタルタルソースか。絶対美味そう」
「……タルタル?」
「じゃあ、作ろう!」
まずはパンの前に、シェトラスとレイバルスから……具材になるお魚を教えてもらったわ。白身魚って言うのの、切り身を使って『フライ』を作るんだって。
「そのままだと臭みがありますので……塩と酒を使って、それを出来るだけ取り除きます」
お酒はワインじゃなくて、お米のお酒? なんだって。
お隣のホムラ皇国の、強いお酒だから……瓶のフタが開いたら、あたしとセシル兄はびっくりして鼻をつまんだ。
すっごく変な匂いがしたの!!
「「うぇ〜〜」」
「ははは。子どもにはまだきついか?」
「フィルドさん、平気?」
「うん。これをつまみと一緒に飲むと最高なんだよなあ?」
「「えー?」」
大人って、すごいんだ?
あたし達はまだまだ子どもだけど、大人になったら美味しく感じるのかしら? とりあえず、シェトラスはお魚に塩とお酒をかけて、少し待とうと言ったんだけど……臭いがさらにキツくなっていくわ!? 臭い!!
「この臭いをそのままにして調理すると、より一層臭いので」
布で拭き取りますと、シェトラスは臭いのも気にせずに布で丁寧にお魚を拭いていたわ。ちょっと、綺麗な色になった気がする?
それに、匂いもあんまり臭くない?
今のだけで、そんなことが出来るのがすごいと思ったわ!!
次回は木曜日〜




