第51話 神へ問い合わせ(マックス《悠花》視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(マックス《悠花》視点)
嘘でしょ……?
八年よ?
こいつらが。
フィルド達が!?
あたし達から、ずっと離れて。
リーシャが生まれる少し前から。
この屋敷どころか、世界から顕現することがなかったのに!!
なんの前触れもなく……『今日来た』。
来やがったのよ!?
あたしは、ちょっとだけ呆然としちゃったけど……すぐにフィルドの方に近づいて、部屋の端に移動したわ!!
「なんで今更来たのよん!?」
「ほっほ。いや〜?」
「その外見で爺さん口調やめて!?」
ものすごくミスマッチなんだから!!
フィルドは堪えていないから、ケラケラ笑っていたけど。
「ははは。いや何。我が孫へのお使いを頼まれたまでよ」
「……孫って」
「今は別の世界を管理してる、ディーシアだ」
「あのお嬢ちゃん?」
「君が知っているよりは、だいぶ大きいけどな?」
「……このタイミングで?」
チーちゃんは、前ほどパンを作る時間はないのよ?
と思ったけど……娘のリーシャに異能を与えたのは、こいつらじゃないのと思い当たって。
もう一回見たら、にんまり笑ってたわ。
「……わかっただろ?」
「……なんで、生まれてすぐにリーシャにあげなかったのよ?」
「持ってたさ? ミアが生まれた時点で」
あとは、リーシャの思い次第だったってこと?
ほんと……変なとこで面倒な仕組み作るんだから、相変わらず。
「わかったわ。で、顔合わせついでのお使い内容は?」
「リーシャのパンがもらえたら」
「……今日はあの子休みだったのよ?」
「おっと。間が悪かったか」
その冗談はさておき。
ひとまずは……フィルド達が持ってきた高級フルーツの盛り合わせで、ひと息吐くことになったわ。
「おにーさん、この果物なんですか?」
リーシャはフィルドに懐いちゃって、なんでも聞いっちゃってる。
まあ……見た目はかっこいいからね? 見た目は!
父親のカイルとは違う美貌だから……気にかけちゃうのも仕方ないと言うか。
ってか、リーシャの初恋って……フィーんとこのセシルじゃなかったかしらん?
セシル!!
今こそ、転移でいらっしゃいな!?
あんただって、憎からず想っているんでしょー!?
「こーんにちはー」
とかなんとか考えていたら、来たわ!!
「あら、セシルくんいらっしゃい」
対応してくれたのは、チーちゃん。シュラとかフィーの転移魔法に慣れたから、普通に対応できるのよねん?
「どうも。父から、今度うちでお茶会でもどうかと」
「あら? あちらで?」
「実は……母に妹か弟が出来たので、ちょっと外出はと」
「まあ、素敵!」
フィー……しばらくご無沙汰だと思ってたら。
とんでもない爆弾投下するんじゃないわよ!?
まあ、あたしも人の事言えた立場じゃなかったわ。
「チーちゃん、実はうちもなのよん」
「そうなの!? これはお祝いいっぱいしなくちゃ」
「お母様!! あたし、パン作りたい!!」
「いいわね!」
リーシャの意識が逸れた……と思ったけど。
なんでいつのまに、フィルドにお膝乗っけてもらってんの!?
セシルの顔が、わかりやすいくらいこわばっていくじゃないさ!?
ああ、もう!!
どうしたらいいのよん!?
次回は水曜日〜




