表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/200

第43話 食べたいパン

お待たせ致しましたー

 とりあえず……今日の用件は終わっているから。


 今から、パン作りの練習をすることになったわ!



「あのね! せっかくだから、お姉さん達が作ってみたいパンにしようと思うの!!」



 お母様とロティのレシピは、たっくさんあるから……多分大丈夫。


 あたしがそう言うと、お姉さん達は『うーん』って首を傾げたわ。



「……作りたい」


「……迷う」


「……私は、可能であれば」



 と、手を挙げたのはケイミーお姉さんだったわ。



「なあに?」


「……カレーパンを」


「「え」」



 伯父様と同じくらいに声を上げちゃった。だって、あたしがこの前お母様からいただいたカレーパンは作るのが大変って聞いたんだもの。


 まだ練習も一回もしたことがない、美味しいパン。


 ちょっと……いや、だいぶ難しい問題だわ。



「あ……やはり、あのパンは難しいんですね」



 あたし達がだんまりになっちゃったから……お姉さんはしゅんっとなっちゃった。



「うむ。まず、カレーの具材が難しいはずだ。香辛料の調合や、包み方にも……我が妹曰く、技術が相当必要だと。俺も何回か手伝ったことはあるが、かなり難しい」


「調合……ですか?」


「単純な赤辛子だけではないと、ケイミーも理解しているだろう? 調合はなんとか出来ても、包む作業は一回二回で出来ても……揚げた時の具合は大変だそうだ」



 伯父様がしっかりしているわ。


 一応、王太子だけど……普段のふざけた態度しか知らないから、たまにびっくりするのよね?



「……リーシャ、カレーパンってなに?」


「私も知らないんだぞ」



 双子にも聞かれたんだけど……あれって、どんなパンって言えばいいのかな?


 ドーナツぽいかもしれないって……お母様は言っていたけれど。



「えーと。サクサクしてる、甘くないドーナツ?」


「なんで疑問?」


「あたしも作ったことないの」


「そうか」



 美味しいけど……作りたいけど、すぐには作れない。


 どうしようかと思っていたら……クラットお兄さんが手を挙げたわ。



「んじゃ、ケイミーが次に好きなハンバーガーとかは!?」


「ふむ。それなら、俺も手伝ったことがある」


「……そうですね。私だけのわがままで、出来ないものを無理に作ろうとしてはいけませんから」



 必要な時には、我慢も大事。


 お姉さんは貴族じゃないけど……ちゃんとわかってる。


 あたしは子どもだけど……そこがちょっとだけわかったの。


 でも、無理はよくないから……次の差し入れまで、お母様に練習をお願いしようと決めたわ!!


 お姉さんが悲しくなるのは、よくないもん!!


 それを決めてから……あたしは、伯父様に預けていたレシピ帳を開いて。


 ハンバーガーを作るのを、始めるわ!!

次回は日曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ