第40話 勅命
お待たせ致しましたー
「「王立孤児院への差し入れであるが、陛下たってのご希望により……十日後となった!!」」
「「「えぇ!?」」」
サリー姉達と驚いちゃったけど。
あと、十日で……パンをもっと美味しく作らなきゃいけないの!?
お祖父様、無茶言い過ぎ!!
「……んもぉ。お父さん、リーシャ達にプレッシャーかけ過ぎよ」
お母様も、ちょっとため息を吐いたわ。
そうよね! 難しいと思うわ!
「伯父様……そこまで頑張らなきゃなの?」
「うむ。この間の出来栄えでも充分だが、リーシャの性格を考えれば毎日練習するだろう? そこを踏まえて、練習期間を設けた」
「お兄さん? 子どもの労力考えてくれた?」
「も、もちろんだとも!」
伯父様……お父様だけじゃなく、お母様にも負けちゃうのね。
でも……そっか。
お祖父様なりに、考えてくださったのね?
だったら、十日だけしかないけど……頑張ろう!!
「あたし、頑張る!!」
「……無茶はしないようにね? リーシャ」
「うん!」
お母様のようには出来ないけど。
お母様にも美味しいって言ってもらえた……今日まで作れたパンを何回も練習していく!
大変だけど、頑張るわ!!
「よく言ってくれた、我が姪よ!!」
「わひゃ!?」
伯父様がいきなり高い高いしてくれたから、びっくりしたわ!?
久しぶりだけど……伯父様やっぱり力すごいのね?
いつもやられっぱなしだけど。
「もちろん、俺達も援助はしていくさ! パン以外の部分は任せるんだぞ!!」
「うん!」
こう言う時の伯父様は、王太子だから頼りになるのよね?
下ろしてもらってから……とりあえず、さっき作ったパンを伯父様達にも食べてもらったの。
「「美味しい!!」」
「美味いんだぞ!!」
コツを掴んで、綺麗に焼けたパンの方がやっぱり美味しいんだわ!
三人とも笑顔だもの。
「すごいな、リーシャ! もうここまで作れたのか!」
エディトはちゃっかり、おかわりって手を出してきたのよね? あたしと同じくらいだけど……お城でお稽古してるから、いつもお腹ぺこぺこって前に言ってたわ。
だから、もう一個のウィンナーのパンをあげた。
「む。兄上だけ、ずるいのである」
マリーナも手を出したから、シェトラスがあたしの代わりに持ってきてくれた。食べ方は王女様なんだけど、お兄ちゃんのエディト並みに食いしん坊なのよね?
「俺もなんだぞ!」
「お兄さんはダメ」
「チャロナ〜……」
一番の食いしん坊は伯父様だけど。
全部一個ずつ食べたから……たしかにダメだわ。
お母様のチェックが厳しいから、嘘泣きしてもダメの言葉が続くだけだった。
次回はまた明日〜




