第32話 ドーナツ仕上げ
お待たせ致しましたー
穴が全部空いたら……次は、具材を入れていく。
パンパンにはしないように、クリームの袋に入れて……シェトラスがお手本に、ぎゅーっと入れていったわ。少し減っていくのはわかるけど……見た目だけだと同じドーナツ。
袋を取ると……ちょこんと具材が出ているのが可愛い!!
黒だから、シェトラスが入れてたのはあんこだわ。
「このようにしていただきたいのです。あんこは固いので、私が担当しましょう」
「「はーい」」
あたしとミラクルはジャム。
サリー姉とレイバルスがクリーム。
持ち方ももう一度教えてもらって……ぎゅーっと入れていくんだけど。
(入んない?!)
全然……中に入っていかない!? なんで!?
ぎゅーって、押しているのに!?
「……リーシャ、も無理?」
ミラクルも出来ていないのか……『うーっ』て、一生懸命な顔をしていた。
サリー姉の方は……もっと大変そうだったわ。
お顔が真っ赤っか。
「ひと息に入れようとせずに、優しく触ってみてください」
そんなあたし達に……シェトラスは怒ったりせずに、優しく教えてくれたわ。ふくらんでるとこを、力を入れずに……優しく。
すると、中にあるジャムが動いていったわ!?
「「「すご〜い!!」」」
『みにゅぅ』
「コツが掴めましたら、それを繰り返していきましょう」
ちょっと重くなったら、次……次とジャムとかを入れていって。
これで出来上がりかと思ったら……レイバルスが粉を持ってきたの。
『仕上げに、この粉砂糖をたっぷりまぶすでやんすよ』
「「お砂糖??」」
「……粉の」
「このひと手間で、さらにドーナツが美味しくなりますぞ」
「「「ゴクリ」」」
中身を入れたドーナツに、たっくさんつけたら……綺麗な白いお化粧をしたドーナツが出来上がった!!
これで……本当に完成なんだって!!
「こちらには……ロイヤルミルクティーがよく合うでしょう」
あたし達が粉砂糖をつけている間に、シェトラスが飲み物を作ってくれていた。さっすが、シェトラス!!
レイバルスは途中で、お母様達を呼びに行ってたわ。
「「いい香り〜!!」」
紅茶とミルクの甘い香りがするわー!
とってもいい香りで……絶対ドーナツにも合うと思うの!!
今日は……伯父様とか来ないわよね? 双子達が、頑張って止めているとは思うけど。
「邪魔するぞ?」
けど……お客様は来たわ。
伯父様じゃなくて……お祖父様とお祖母様がなの!!
すっごく久しぶりだったから……あたしは手を洗ったら、ダッシュで抱きついた!!
お祖父様は怒りもせずに、あたしを受け止めてくださった!!
次回は火曜日〜




