第30話 ドーナツ試作
お待たせ致しましたー
「リーシャ!! ドーナツ作るの!?」
「うん!」
「……ドーナツ」
今日はドーナツを作る練習をする日で、サリー姉とミラクルが一緒なの!
生地は……ミアのホームベーカリーで作って。
切るときは、シェトラスに聞きながらちっちゃく切っていくんだって。
「パンを揚げますと……少しばかり膨らむのですよ」
「「ぷくーって??」」
「発酵ほどではないですな。ベンチタイムで休ませる時も注意しなくてはですが」
「「はーい」」
「……は、い」
コロコロまとめていくのは、シェトラスとレイバルス以外は一個ずつ……手でゆっくりまとめて。
サリー姉もだけど、ミラクルも潰さないように丁寧にコロコロしていって。
「時間短縮!」
スキルを使ったら……すこーし、ぷくっと可愛く膨らんで。
これを……『あぶら』で揚げていくんだって。シェトラスが鉄板をコンロの近くに持ってって……なんか黄色いお水? が入ったとこの近くに置いたわ。
「シェトラス? どうするの?」
サリー姉もわかんないみたいだから、質問してたわ。
「この黄色のものが油なのですよ。この中に入れて揚げるのです」
「「え?」」
『大丈夫でやんすよ。美味しいものが出来るんでやんす』
「「へー!」」
お料理ってすごーい。
お菓子作る時には、使ったことなかったもの!!
シェトラスは生地を一個ずつ……そっと油に入れていくと。
しゅわあああああ!!
って音がして、生地がぷくーってしてきたわ。
「わぁ!」
「すごーい!!」
「……すごい」
ちょっと背伸びしたら見えたから、あたし達ははしゃいじゃったんだけど。
「お気をつけてください。油がはねるとやけどをしてしまいます」
「「「はーい」」」
シェトラスが強く言う時は、本当に危ないことなので……あたし達は首を縦に振ったわ。
シェトラスがにっこり笑うと……トングで、ドーナツをひっくり返したわ。綺麗な茶色!!
「あともう少しで、揚げ終わります」
「……シェトラス。出来上がったら、味見って出来る??」
サリー姉がゆっくり聞いたけど、シェトラスは首を横に振った。
「お薦め出来ませんね。味もあまりしませんし、油ですごいことになります」
「じゃあ、味はどうするの?」
「それは冷ましている間に、準備しましょう」
と言って、シェトラスがトングで持ち上げたドーナツは。
ちっちゃいけど……すごく美味しそうだったわ。
食べたいけど……我慢我慢!!
美味しいものは、ちゃんと美味しくしてから食べたい。
それに……これは孤児院への差し入れ候補。
練習なんだから!!
次回は水曜日〜




