第24話 試作途中
お待たせ致しましたー
今日作るパンは、二種類!!
ウィンナーロールとホットドッグなの!!
シェトラスが言うには、めちゃくちゃ大変らしいけど。
特にウィンナーロールが。
「まあ。そちらが……異能ですのね?」
ユイノ姉にも、ミアがホームベーカリーに変身するのを見せて……生地を作る時も、『まあまあ』と言ったわ。
「食パンだとこのまま焼けるの」
「そうなのですね? 興味深いですわ」
生地の入れ物を出すのは、レイバルスにお願いして……ユイノ姉も一緒に、生地を切っていく。ユイノ姉はパン作りが初めてだから……手にたっくさん粉を付けようとしたから、シェトラスがあたしにも言ったように注意した。
「ユイノお嬢様、おわかりいただけましたかな?」
「わかりましたわ。パン作りとは奥深いですのね?」
で、全部切ったら……今回は丸くするんじゃなくて、ちょっとだけ細長くするの。二種類どっちも。
レシピにはそう書いてあったのよね?
「なんで細長くするんだろ?」
「リーシャお嬢様。理由のひとつは、どちらも『長い』のです」
「え?」
『ロールは紐状に。ホットドッグも長いでやんすから』
「……そうなんだ」
あたしは小さいから、知らないことが多い。
けど……それは悪いことじゃないわ。これからたっくさん覚えていけばいいの。
切った生地を整えるのは、今日はシェトラス達にお願いすることにした。あたしとユイノ姉は……粉があってもネチョっとヘニョってしたから。
「……難しいですわ」
「……そうだね」
『まだ一回目でやんすよ。何回も作れば大丈夫でやんす』
「うん」
「そうですわね」
切った生地をちょっとお休みする間に……サイラがウィンナーを持ってきてくれたので。
シェトラスが茹でて焼いてくれて、ユイノ姉が食べたがったから……結局あたし達も食べたわ。
「美味しい!!」
『みゅぅ!』
「ですわぁ!!」
やっぱり、このお屋敷で出来るの……なんでも美味しいわ!!
パリッとジューシーで、あんまり胡椒がないのもいいけど。
血で出来ている……真っ黒のソーセージも美味しい!!
これ……全部パンに合うかしら?
食べるのは……あたし達くらいの子供達。
どんな子達だろう?
孤児院にはちょっと行くけど……ほとんど会うのはマザーやケイミーお姉さん達くらい。
あんまり、子供達には会っていないの。
だから……お母様にももっとお話を聞いて。
カレーパンも作りたいけど、一緒に持って行くパンを決めなくちゃ!!
「美味しいものの予感!」
だから、シュラ伯父様がいきなり転移魔法で来た時。
お腹をグーパンしたあたしは悪くない!!
次回は土曜日〜




