第22話 今なら食べていい
お待たせ致しましたー
「そうね? 大人気だったのは……カレーパンだわ」
「……カレーパン?」
「あら、まだリーシャには作ってなかったわね?」
ふふって、お母様が笑うっても……あたしは知らないパンだから、全然わかんない。どんなパンなんだろう?
「どんなのー?」
「そうね。リーシャ、ドーナツは覚えている?」
「うん!」
さっくさくとか、ふんわりとか……甘くて美味しいおやつ!!
あたし、大好き!!
「あれに具材を入れて……コロッケのようにしたパンなの」
「……コロッケとドーナツ?」
「ふふふ。わかりにくかったかしら?」
「うー……」
考えてもわかんなかったから、正直にうんって首を縦に振ったわ。
お母様は、前を向いて……何にもないとこをじーっと見たわ。なにしているんだろう?
「『無限♾️収納棚』開放。カレーパン取り出し」
って言ったら、紙にくるんてしてある……パンが出てきた?
どこから、出したの!?
ひょっとして、お母様の異能??
「……これ」
お母様の言ってたように、コロッケみたいなパン。
大きいけど……いい匂い!
「さ、食べてみて?」
「……いいの?」
「私の亜空間収納のような、魔法の中に入れてたからお腹は壊さないわ」
「うん!」
両手でしっかり持って……ちょっと重いけど、あむってかじってみれば。
サクサク
って音がして……パンはドーナツ以上にサクサク。
中はふんわり。
けど……ドーナツのように甘くない。
ちょっぴり辛いけど……パンと一緒だとすっごく美味しい!!
ちょっと中を見ると……茶色い何か?
お野菜もあるのか、にんじんとかがちっちゃくあった!
「どう?」
「美味しい!! 美味しいわ、お母様!!」
「それがカレーパンと言うの。カレーって料理をパンの中に入れたものよ」
「これ……どうして、作ってくれなかったの?」
こんなにも美味しいの……もっと前から食べたかったわ。
「理由があるの。辛いものは、小さな子供にはあまりよくないのよ。あなたくらいになれば……少しずつだったら大丈夫だから。今、出してあげたのよ」
「……そうなんだ」
あたしのことを考えて……食べさせてくれたんだ?
さっすがお母様!!
でも、カレーパンは本当に美味しくて……あっという間に食べちゃったわ。
「今孤児院で保護している年齢の平均を知らなきゃだけど……カレーパンは候補のひとつにしておきましょう? あとは、ウィンナーのパンとかもいいわ」
「ウィンナー!?」
エスメラルダのとこの、パリッとウィンナー大好き!!
ホットドッグとか、ウィンナーロールなら……孤児院でも大丈夫かしら?
次回はまた明日〜




