第194話『大胆ピザトースト?』
今日はお母様から、ちょっと大変なパン作りを教わることになったの。
「今日は食パンをくり抜いた、『シカゴピザ風』を作って欲しいの」
「シカゴ……? って??」
「地名みたいなものよ。そこの名物とされてるのを、食パンで作りやすくしたピザを食べたくて!!」
お母様のお腹にいる、私の妹か弟。その子のためにも、お母様はたっぷりとご飯を食べて……赤ちゃんへの栄養を届けなくちゃいけない。
だから、赤ちゃんが出来る以外は私とそこまでご飯食べなかったけど。今はお父様より少し少ないくらいまで食べるの。……妊娠って大変だけど、私もいつかだから無視出来ない。
「食パン、半分も?」
「その中も、分厚めにしましょうか? くり抜いた部分は、パン粥のストックにして欲しいな」
「はーい」
数時間感覚で大きくなるから、今作っているのを食べてもお母様はまたお腹が空くらしいの。けど、散歩もするから……そう言う時にはお父様のお役目だから、今は邪魔しない。
私にはセシル兄がいるし、お母様盗られた〜はもう大丈夫よ。成人はまだ先でも、私だって思春期の女の子だもの。
「リーシャ。火魔法で軽く内側を炙れる?」
「? あ、器?」
「そうなの。固いパンだと食べるの大変だから。具材を入れるための補強ね?」
「へー」
ちょっとトーストになるくらいに、焦げ目をつけて。
普通のピザとかピザパンみたいな具材を入れたら、たっぷりチーズ。
今日は大型オーブンの方が焼けるからって、ロティのオーブンで中も外もしっかり。
ただ、レイが蓋を開けたら猛烈に良い匂いが厨房に広がる!!
たしかに、これは病みつきになりそうな匂い!!
「あー、これこれ!! 一個はぺろり出来そう!!」
お母様のキラッキラな笑顔に、シェトラスとかは苦笑いしてるけど……あたしはちょっと大丈夫かなと思った。
だって、この大きさステーキくらいなのよ?? ソースも野菜も入っているけど、メインはパンとチーズ。
お母様……前にも食べたことあるようだから、いいのかな??
「ちーちゃん!!? この暴力的にいい匂い!!? シカゴピザやったの!!?」
ちょうど、マックス様も来ちゃったけど……私たちが分ける分じゃ、お腹いっぱいにならないと思うよ? それか、材料はあるからもう一回作ろうかしら?
私もお腹空いてるけど……自分だけの一個、ちょっと作ってみたくなったもの!!




