第19話 精霊講座
お待たせ致しましたー
「普通の精霊じゃないの?」
精霊だから、精霊だと……ずっと思ってたけど。
おじ様はうんと首を縦に振ったわ。
「まず、精霊同士が……あー、簡単に言えば。結婚するのは、まずほとんどない」
「……そうなの?」
『俺っちは、ロティ一筋でやんすから!』
「……それはいいとして」
『酷いでやんす!』
「特にロティは、神から『創られた』精霊だ」
「うーん?」
ちょっとだけ、お話が難しいや。
おじ様にもそれがわかったのか……うーんって首を傾げた。
「精霊が普通に生まれる場所と、ロティの場所は違うと思え。それぞれの精霊が、お前さんの父ちゃん母ちゃんのように結婚するって言うのが……色々普通じゃない。ここまではいいか?」
「……多分」
「とりあえず、それでいい」
おじ様のお話はちょっと難しいけど……わからないわけじゃないわ。
「……し、ししょー」
ここで、ミラクルが手を挙げたわ。
「あ?」
「ロティ……は、魔力、溜まりの……精霊ではなく?」
「そうだ。文字通り、神が創られた」
「……それが、レイ……と夫婦に」
「んで、ミアが生まれた。めちゃくちゃ、レアなケースだ」
ミラクルは、おじ様にたっくさん魔法を教えてもらっているから……あたしよりも、おじ様のお話はわかるのね。ちょっと悔しいけど、仕方ないわ。
「んー? とりあえず、ミアはすっごい精霊でいいの?」
サリー姉はお勉強苦手だから、ざっくりとした言葉でまとめようとしてたわ。
「…………まあ、そう思っとけ」
おじ様も、ちょっと苦笑いしたわ。
「おじ様! あのね! 孤児院の差し入れ、あたし達が作るの!!」
「……ほぉ? シュラ様が提案したのか?」
「うん!」
難しいお話は終わりにして、あたしはおじ様に報告をしたわ。
パンの練習はお屋敷のためだけじゃないってことをね!
「おじ様!! 何がいいと思う?」
サリー姉も質問すると、おじ様はまたうーんとなったわ。
「お前さんらがだろ? 異能も目覚めたて……シェトラスとレイがいても、レシピはどうなってんだ?」
『ははうえから、ダウンロードしていただいたでしゅ!』
「……魔導具とかは?」
『まだ、箱型のタイプだけでやんす』
「……箱?」
やっぱり、お母様とロティが作るのとは違うみたい。
おじ様も見たことがあるようだけど……。
ここは、見せた方がいいと思って……あたしはミアにホームベーカリーになってもらうようにお願いしたわ!
「ミア! ホームベーカリー!!」
『みにゅぅう!!』
あたしがお願いしたら、ぽんってミアがホームベーカリーになったんだけど。
おじ様はお口があんぐりになっちゃった……。
次回はまた明日〜




