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第179話 クロワッサンの練習

 普通のパンも美味しいけれど、クロワッサンみたいなふかふかでパリッとしたパンも美味しい……。


 だから、食べたくてシェトラスにお願いして教えてもらっているんだけど。



「寒いぃいい!?」



 バターが溶けないように、専用の厨房があるのは知ってたけど……こんなにも寒いの!



「お嬢様、少しの我慢です。真冬での作業場に比べれば……マシです」

「これで!?」

「雪の降る日は……ここに温かい魔法の風はきません。生地をいかに美味しくするための秘策……と、奥様はおっしゃっております」

「大変! 頑張る!!」



 魔導具で生地を伸ばすのはシェトラスがやって、あたしは子どもの包丁で『長い三角』に切るのをやってみるの! 今日はまず、ここから練習!!


 失敗の回数が多かったら、そこはシェトラスがいつも通りに作る約束になってるわ。生地をダメにしちゃうと、焼いて捨てなきゃいけないんだって。キンチョーするー!!



「では、こちらで手本を見せますので……」



 大きめに切った生地を三枚重ねて、交互に切ったら三角!


 同じようにしたけど……包丁からブニョっとした感じなのが伝わるから、えいって切ったけど!?



「失敗……?」

「いえいえ、まだこれなら」



 ゆっくりゆっくり切って、変な三角形にはなっちゃったけど。これに氷の魔法をかけて、今度は巻くのよね?



「……うー」



 手のあったかいので、すぐにブニョってなっちゃう! シェトラスはくるくる巻いちゃうのに!?


 最初だからって、お母様の娘なのに……と思っちゃう。でも、それが悪いことじゃないのもわかってる。変なクロワッサンたちが出来たら、ミアのオーブンで発酵モード。


 ちょっとクロワッサンに見えたそれに、卵を塗って焼けば……形はともかく、いい匂いのクロワッサンが出来たわ!!



「基礎を奥様から学んでいらっしゃる分、初回では上出来ですよ?」

「……そうかしら?」



 変だけど、食べられないわけじゃないから……失敗してない? 枯渇の悪食で伝わっていなかったレシピだけど……お母様が修復したから、あたしはちゃんと作れる。


 その違いを意識して……良かったと頷けたわ!!




「クロワッサンにもジャムが合うそうですから、冷ましている間に作りましょうか?」

「うん。亜空間収納に入れておけば、ほかほかかしら?」

「名案ですね。つまみ食い防止も兼ねて、私の方に入れましょうか」

「ピットたち?」

「侍従になっていても、相変わらずですからね」



 お母様というより、あたしの執事見習いだけど……どうも、食いしん坊でよくいおやつ食べているのよね? 他のおバカなメンバーたちも揃って。

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