第176話 伯父様として(シュライゼン視点)
ふむふむ。
我が姪と悪友の息子が……心身ともに正式な婚約を結んだ。
喜ばしいことだが……俺は伯父として、少し寂しいんだぞ!! まだ正式に即位してない俺では……王の座にいる父上が、誓約にサインするんだもん!!
「……仕方がないとは言え」
本来なら、子どものうちに『正式』は少し危ぶまれる。いつどのようにして、片方が生命を落とすかもわからない世の中。
枯渇の悪食が払拭された今でも、まだ我が妹の言う『衛生面』とやらはうまく整っていない。
魔法医の増員なんて、いきなりは難しいし……すぐ手配出来るわけがない。我が国では、レクターが稀代の魔法医として指導側に当たっていても……だいたいは同じだ。スキルが仮にあっても、異世界以上の知識を持つ賢人がいきなり出てくるわけがない。
つまり、子ども同士の場合はあくまで『仮』にしないと……何かあると哀しむ場合があるのだ。
だから、成人の儀で、改めての問いかけが出来る。ソーウェンとの戦争をきっかけに、父上はこの制度を作られたのだ。当初はよく利用したものだ……。
「だが、起きてしまったものは仕様がない」
神自ら操作された、フィーガスのユニークスキル。あれを、第一子のセシルへ半端に継承させたのだ。解呪は、基本的にキスでその魔力を抜き取るのみ。
子どもの恋心を試す真似のようで、酷なんだぞ! フィーがうっかりカレリアへ発動させてしまった時のフォロー……思い出したくもないんだぞ!?
今回も、一応『想い人同士』であるから良かったにしても……十以下の子どもにだなんて。
「そうだ! 起きてしまったものは仕様がない!!」
俺がため息吐いていたら、父上の登場……扉が若干破壊されたが、そこはあとで直すとして。
「……ひ孫ならず、その先まで見届ける気なのかい?」
「そうだとも! チャロナたちの栄養学とやらをお前の代でも浸透させていけば……百歳くらいなんて魔法医療も併せていけば問題なかろう?」
「……俺も孫以上は、それは見たいけど」
何歳まで生きる気なんだ……この親父。
と、フィーガスのように、口調が荒くなっていく気がするんだぞ!!




