第172話 神様からの謝罪?
『ほんとーに、ごめんなさい!』
神様から謝られちゃった。というか、謝罪に土下座……神様が最初にしたからマックス様もよくするのかしら? じゃなくて、そうじゃなくて!!
「シア様。あたし、大丈夫ですよ?」
『よくないわ。乙女の一大事を! スキルの継承だからって、非常に乱暴にしたのは私たち側だから……謝らせて。せめてこれだけは!』
「あ、はい……」
あたしは、セシル兄とまたキス出来る約束もらったからいいけど……大人(?)にはよくなかったらしいの。
原因の神様は、今別のところで怒られているらしいわ。神様も大変。
『原因も神だけど。私が何も出来ないから、人間と似たことしか出来ないわ。この世界の神ではないから』
「……そうなのですか?」
『ええ。リーシャはチャロナの子どもだから特別。私たち神にとって特別だったの。その子どもにも特別視したいけど……色々制限があるのよ。ごめんなさい』
「ううん」
普通は神様から謝ってくださることって、よっぽどだから……とりあえず、セシル兄と頷くことにしたわ。シア様は『じゃあね』って帰ってしまわれたけど……なんとなく、お母様たちのとこに行っている気がしたから。
セシル兄といっしょに座りっこしたの。
「婚約パーティーでも……あんまりいっしょにいられなかったから、うれしい」
「ふふ」
「ん?」
「あたしも同じこと考えてたの」
セシル兄はおじ様に似ているから、とっても素敵だもの。素敵過ぎて、いつもみんな取り合いっこのように話しかけるから……あたしが婚約者なのに、って思うことが強かった。
それが、今はくっついてくれるくらいいっしょだもの! ちょっと覚えているけど、キスもした仲よ? もう絶対絶対離れないんだからって、ぎゅーって抱きつきにいくのは変じゃないわよね?
セシル兄も、ぎゅってしてくれたもの!
「まだ俺たち小さいけど。公爵殿下方のように、幸せな家庭作ろうよ」
「うん! セシル兄となら大丈夫だと思うわ!」
「……まだ、兄付け取れない?」
「ふふ。あたしが十歳くらいになるまでがいいんじゃない? 今はくっついているから、セシル兄がもっとぎゅっとしてきそうだもん」
「……そうだね。父さんのスキル継承してるから、今」
とここで、カチンと固まったセシル兄だけど。すぐにあたしを抱っこして、どこかへと転移魔法を使った? 気づいたら、ギャーギャーうるさいおじ様たちの声が聞こえるお部屋へ着いたけど??
「俺に聞くなぁあああああ!!」
「「往生際が悪い」」
「腹黒ふたりやめろ!!」
あたしがスキルの影響受けたあとから……ほとんどこのままだったのかな? おじ様は可哀想だったけど、セシル兄は気にせずにおじ様の方へと足を運んでいたわ。




