第168話 夢心地が幸せ過ぎて
お待たせ致しましたー
(えへへ~~!! なんか、すっごく気持ちいいの~)
セシル兄とおしゃべりしてただけのはずなのに、あたしはどうしちゃったのかな? セシル兄がずっと慌てるような声は聞こえているのに、あたしはうまく返事が出来ないし……でも、セシル兄ともっとくっついていたくて、ぎゅ~ってしてるの。
困ってる声がしても、いやだったからぎゅーぎゅーするもん!
だって、あたし知ってるのよ? お母様にお父様がこんな感じに抱っこしてもらってるって!
(お父様の気持ち、ちょっとわかってきたかも~~!!)
大好きな人に抱っこしてもらうと、『幸せ~』な気持ちがこんなにもはっきりわからうだなんて! セシル兄と『おつきあい』しても、お互いに勉強とかで忙しいもん……。もっと、抱っこしてってお願いしまくればいいって、今日わかったから!
今は、いっしょだから抱っこしてもらう~!!
「……リーシャ」
でも、セシル兄は全然嬉しくないのかな? さっきからずっと困った声でしか呼んでくれない……。もしかして!?
「……あたし、のこと。きらい?」
「そんなわけない!」
一応聞いてみたけど、すぐに違うって言ってくれてほっと出来た。セシル兄以外の人のお嫁さんにはなりたくないもん! じゃあ、今だけ……呼び捨てしたら、理由話してくれるかな??
「……じゃあ、セシルって……言えたら、教えて?」
「!?」
「なんで……困った顔してるの?」
真っ赤になっても、もっと困った顔になっちゃった……。このふわふわした気持ち、受け止めてもらえないのかな? セシル……って、一回だけでも呼んだら、笑ってくれるかなって。でも、ダメだったのかも。なんか……我慢してる?
「……リーシャ。あとで怒ってもいいから!」
「ふぇ? ん!?」
怒ったような声を上げた、セシル兄に……口、おさえられた?
あったかい、何かで……手とかじゃない? なになに!?
でも、変なふわふわしてたのが吸われていくみたいで……あと、なんか違う気持ちよさに包まれて。もっと、って口が動いたら……もっとあったかい何かが入ってきた?
それも気持ち良過ぎて嬉しくなっていたのに……なんだか、また眠くなってきちゃって。
寝たくないのにって、セシル兄に抱きついていたはずなのに。
次に、頭の中がはっきりしたときには……セシル兄が、マックス様に教わってた『ドゲザ』って姿勢でたくさん謝っていたの。ちゃんと話してくれたら……お師匠様からの解決方法で、あたしの『ファーストキス』は変なやり方で終わってたみたい!?
「もう一度、次の機会で! やり直しさせて! お願い!!」
「う……う、ん」
必死過ぎて、つい『うん』って言っちゃったけど……理由が理由だし、あれはあれで良かったのになあ。でも、セシル兄がやり直しっていうなら……また、キス出来るんだ!! そっちがわかると、子どもでも口のチューしていいんだってわかってもっと嬉しくなった!
(でも、小父様のスキル継承って……)
コントロール出来るようになるまで、あたし以外発動しないように協力しようっと!!
次回は木曜日……昨日エブリスタで先行投稿してましたぁ!?




