第164話 変わる幼馴染み
お待たせ致しましたー
ミラクルの変り方に、もう驚かないと思っていたけど。
お父様のマックス様みたいに、勢いよく食べるだなんて……今まであった?
サリー姉と婚約したことで、様変わりしたっていう人は多かったわよ?
でも、食べ方はどっちかというと綺麗だったミラクルが、いきなり自分のお父様と同じようになってしまった。だから、あたしもだけど。サリー姉もセシル兄もみんなみんなびっくりしちゃって。
「……人って、変わるんだね?」
「まあ、いいことじゃないか?」
うちのお母様に注意されたけど、結局ミラクルは三回もオムカレーをお代わりした。お腹ぱんぱんになって、満足したときの笑顔にサリー姉はとろけちゃって……ぎゅーって抱っこしていたわ。幸せっていいなって、あたしも思ったくらい。
差し入れの会議もひと段落ついたし、お母様に孤児院へのパンのアイディアも伝え終わってからは。解散と思ったら、セシル兄があたしの部屋に来てくれたの。最近、デートらしいデートしてないからって。きゃ!
「そうね。恋したら、変わることも多いってお母様よく言ってらしたわ」
うちの場合、それはお父様らしい。『氷の守護者』が、お母様に熱烈なくらい愛をぶつけたことで……無表情がなくなって、表情豊かになったとか? あたしの前でも、お父様は表情豊かなのに? あたしが生まれる前は、【枯渇の悪食】も含めて色々あったそうだから、仕方ないのかも?
「俺の父さんたちは、公爵様方がお付き合いされる前から……溺愛凄かったらしい」
「そうなんだ?」
最近あんまりお会い出来ていないけど、次の赤ちゃんが出来たってお話も聞いているし……ラブラブなのね? すごいわ!
「俺たちは、成人の儀終えてからじゃなきゃ……正式に結婚出来ないし。長いよな?」
「う、うん」
さらっと、将来設計を口に出来るセシル兄。そこは、ちょっと歳の差があるだけで、教育とかが色々違うのね? でも、そんなところまで考えてくれるんだから……将来のあたしの旦那様は、もっと素敵になると思うわ!
と、心の中できゃーきゃー言ってても、口に出来ないどころかどもっているのは……セシル兄に、抱っこされながらの会話だからなの。セシル兄は、成長期だからか会うたびにからだが大きくなっている気がする!?
お父様たちのような、男性のたくましさはまだまだだけど。女の子のようにコロンつけてないのに、いい匂いがするの!? 好きな人だから、余計にいい匂い!! 落ち着くのよ、リーシャ!? 悶えるのはセシル兄にがっかりされるかもだし、我慢するのよ!!
「リーシャ? ……緊張してる?」
そして、あたしより大人なセシル兄だから!!
小父様とよく似た声を使って、耳元で囁くんだから!? なんか、力抜けちゃう……あれ??
本当に体の力が全部抜けていく感覚になって……あれれ?
びっくりはしたけど、なんか体おかしいと思ったのと動けなくなったわ!?
『みゅ!? セシル様がスキル開花したでしゅ!?』
「へ? 俺!?」
あたしがへろへろになってたら、それまでベットの端っこで寝てたミアが起きてくれた。セシル兄もびっくりしてたけど、あたしを心配そうに抱え直してくれたから、ミアの言葉にもっともっと驚いていたの。
『フィーガス様の【魅惑の美声】を一部継承していましゅ。それがご主人様にも効いてしまったんでしゅ!?』
「マジ!? どーすれば……いや、むしろ父さんに聞こう!」
というわけで、うちのお父様に伝令するよりも先に動こうと。小父様座標を特定してから、あたしをしっかり抱えてセシル兄は転移魔法で移動してくれた。
小父様はお父様の応接室で、他の小父様たちとおしゃべりされていたから……あたしたちの登場に、目を丸くされたわ。
次回は火曜日~




