第146話 新しいサンドイッチ?④
お待たせ致しましたー
伯父様ったら、相変わらずおバカさんね?
お母様から説明がきちんとあったのに、勢いよく食べ始めるんだもの。
けど、わさび入りのサンドイッチってそんなにも辛いのね。ごはんと食べた時もちょっとだけなのにぴりっとしたもの。あたしもお父様と同じでそんなに辛いの好きじゃないし。
だから、お父様は伯父様のリアクションを見た後に、おそるおそるって感じでサンドイッチを食べ始めていたわ。
「…………たしかに。少し辛いが、後味があまり残らないな? 爽やかだ」
「好みによりますが、マスタードよりは食べやすいと思う人もいるんです」
「俺でも食べられるな」
「良かったです」
らぶらぶらぶらぶ。
いいないいな、お父様とお母様はとっても愛し合っていらっしゃる。
美男美女夫婦だし、とってもお似合い。
あたしはお父様似だから、美人になれるのかしら? セシル兄は可愛いって言ってくれるけど。それはさておき。
ミアもちょっとずつ食べ始めていたサンドイッチを、あたしもちょっとかぶりついたら!
「不思議だけど、美味しい!!」
ごはんといくらの時と違う感じなのは当然だけど。
お父様たちが言うように、爽やかな辛味がマヨネーズと合わさって……薄切りのお肉とかにとても合うの!! そこにパンといっしょに食べれば、もぐもぐするのを止められないわ!!
結構ボリュームがすごいのに、あっという間に食べちゃったくらい!!
「たとえようがない、清涼感ですな! マヨネーズだけではこってりとしてしまうのに、赤身の薄切り肉をさっぱり食べられる味わい。このワサビにこのような使い方が! 米でも十分発揮出来ていたと思っていたのにですぞ」
お師匠の爺様も大絶賛だわ。たしかに美味しいから、それくらい賛辞を述べるのも尤もだもの。
「爺様? これ普通はどう使うの?」
「うむ。狩猟用の罠ですな」
「わ、罠?」
「簡単に言えば、痺れ玉を作る材料ですぞ。チャロナ様には以前から興味がおありだとお聞きしていたので、今回は里から取り寄せたのですが」
「里って、エルフの里?」
「ええ。久しく帰還する理由にして、これを調達したのです」
爺様はハイエルフだけど、ずっとセルディアス城に仕えている錬金術師だって聞いてはいる。
おうちは別にあるみたいに聞こえたが、理由があるなら深く聞いちゃいけない。
大人は内緒にしていることがいっぱいあるもの。
あたしが大人になったら教えてもらえるかもだけど、成人の儀まであと五年くらい。
先にセシル兄の方が大人になるから、その時はセシル兄の方が先に知っちゃうかな?
少し羨ましいけど、今も楽しいから大人になるまでたっくさんお勉強するんだ!
あたしにも、お母様のような異能があるんだから、もっと使いこなせるようにしたいもん。
とりあえず、その日はわさびの新しい使い方をお母様からたくさんアイディアが出て。
いくらの仕込みが出来たら、パーティーは四日後に開くことが決まったの!!
次回は月曜日〜




