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第145話 新しいサンドイッチ?③(シュライゼン視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(シュライゼン視点)






 まったく、我が従兄弟で義弟は粗雑な扱いを俺にするんだから……。



(それは昔からだけど……笑顔のオプションはずるいんだぞ)



 我が妹と婚約して結婚してからだが、幼少期限定だった笑顔とかに磨きがかかっているんだからえぐいんだぞ! 我が妹はそんな旦那の笑顔に弱いから今回もテレテレである。まだまだ若いから、少女のような気持ちを抱いているのはしかたない。


 娘のリーシャはセシルと婚約を結んだとはいえ、どこか達観した考えの持ち主でいるから呆れてはいたが。まったく、誰に似たんだか? カイルだと思うんだぞ。


 顔も似ているのに、性格まで似てきているとは。伯父さんとしては、母親の方に似てほしかったのに!



「これは、美しいですな!」



 そして、今日追いかける理由になったエルフの爺様!


 俺のことはほっといて、我が妹と姪と作ったサンドイッチを絶賛しているんだぞぉ!?



(たしかに、美味しそうには見えるんだぞ!?)



 ふわふわの食パンは、我が妹を師に持つシェトラスが作ったようだが……彼の腕前も上がったこととはいえ。


 中身が美しいんだぞ!!


 赤身だが薄切り肉が層になっているところに、葉野菜や玉ねぎの挟み方が整い過ぎて絵画を見ているようだ! これが食べ物?って思うくらいに。我が妻にも食べさせてあげたい……チャロナに頼めば、お土産をお願いできるだろう。母上はともかく、父上は知らん!



「ローストビーフの新しい食べ方になると思うんです。わさびがいい仕事をするはずですよ」


「ワサビ?」


「伯父様、これよ!」


「わ!?」



 我が姪が取り出したのは、どう見ても草の根っこにしか見えないんだぞ!!


 これをサンドイッチに使ったというが、どこに使ったんだい? サンドイッチを見ただけでは全然わからないんだが。



「お兄さん。簡単に説明すると、これをすりおろして少量をマヨネーズとかと混ぜてマスタードやマヨネーズの代わりにしたの」


「ほうほう? それは興味深い!」



 我が妹の説明によると、そのままではマスタード以上に辛味が強く食べるには困難な食材だとか。リーシャにはまだ言えないが、チャロナは『チサト=アマネ』という女性の記憶と魂を引き継いだ異世界からの転生者。


 神からの導きを経て、この世界を母上の復活と共に救ってくれた稀代の救世主なんだぞ。実兄でも俺が知らない食材の知識は豊富過ぎる。


 それだけでなく、ソ―ウェンの襲撃をきっかけに人生の大半をセルディアス王家から引き離されていた。だから、王族や貴族の食事より庶民の食事を意識したものが多いのも仕方ない。


 この秘密をリーシャが知ることになるのは、多分チャロナとしてはリーシャが成人の儀を迎える年頃だと思うんだぞ。あと数年とはいえ、隠し通せるだろうか?


 とりあえず、目の前にあるサンドイッチを食べない理由にはならないから、俺は勢いよくかぶりついたんだが!?


 鼻を突き抜けるような、強烈な辛味にびっくりしてしまい!!


 シェトラスに大量の氷水をお願いしたんだぞぉお!?


次回金曜日〜

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