第144話 新しいサンドイッチ?②
お待たせ致しましたー
わさびは、師匠の爺様が作っていたマヨネーズに、ショーユとちょっとずつ入れて混ぜていくんだって。
マスタードだとたっぷりなのに、わさびは辛いのが強いからとお母様がおっしゃるの。
ごはんの時も、ちょこっと入れるだけであの刺激が来たから、お母様のおっしゃる通りにしなくちゃ。マスタードのびりびりみたいなのは嫌だもの。
「ローストビーフに、薄切りにして水にさらした玉ねぎ。少し苦味があるけど、サラダ向きのサラダレタス。これだけでいいわ」
「これだけ? お肉も薄いけど」
「今回のローストビーフは厚く切るのには、不向きな味わいだからよ」
「はーい」
お母様が美味しいとおっしゃるものは、本当だから信じなくちゃだわ!
爺様もいっしょに、具材をパンにはさんで馴染ませて……切る作業は、シェトラスがやってくれたんだけど切り口を見てあたしはミアと声を上げちゃったわ!!
「わぁあ!」
『みゅぅ!』
薄切りだけど、ローストビーフがたっぷりで美味しそう!!
食べやすいように四角にシェトラスが切ってくれたから、お茶の準備をしつつお片付けをしようとした時。いつのまにかお父様がいらっしゃっていたことにびっくりしたわ!
「お父様!」
「楽しそうに作っていたな?」
「はい!」
レクター叔父様と並んでおしゃべりされてたようだけど。叔父様もかっこいい方だから、普通以上にかっこいいお父様はさらにかっこよく見えるの。笑顔だから、お母様は可愛く照れてるし……らぶらぶ過ぎるわ。あたしもセシル兄と結婚出来る歳になったら、こうなるのかな?
それもそれでいいわ!
「カイル様。軽食くらいの量ですが、お腹に何か入れませんか?」
「いただこう。……しかし、変わったサンドイッチだな?」
「お師匠様に持ってきていただいた食材を、ソースに使った逸品に仕上がっています。ほんの少し辛いですが、マスタードとは違った清涼感があるんですよ」
「まあ、そうですの?」
「興味深いね」
「……チャロナがそこまで言うなら、辛くても食べれそうだ」
お父様。本当に、辛いのダメなのね?
けど、わさびは本当に美味しいから大丈夫だと思うわ。ソースにもほんのちょっと使っただけだもの。
セッティング出来たら、食堂に行こうとしたんだけど……。
「やあやあ、我が家族よ!」
シュラ伯父様がいらしたのよね……。エディトたちはいないから、伯父様だけでいらしゃったみたい。
相変わらずなんだから、と大半がため息を吐いていれば。お父様だけは別で、伯父様との間合いをすぐに詰めて頭を掴んだ!?
「王太子とは言え、何をしているんだ?」
「うぐ!? アーネスト殿がまた出かけたから、ここだろうと」
「チャロナの依頼で来たんだ。お前が来る必要はない」
「なんでだい!? 俺は君の従兄弟で義兄で、チャロナの実兄なんだぞ!?」
「だが、セルディアスの次期国王なのだろう? 色々自覚を持て」
「うぐぐ」
ほんとーに、伯父様って子どもっぽいわね?
ちゃんとする時はしても、ほかは大人に見えないんだもの。
けど、追い返しても面倒だからってことで、サンドイッチをいっしょに食べることになったわ……。
次回は火曜日〜




