第135話 魚卵の可能性
お待たせ致しましたー
いくらを作るのは、ちょっとあとになるから。
先にタラモサラダのパンを食べることにしたの!
出来立てほかほか!! ツヤツヤしたパンにちょっと切れ目があって、中にはたっぷりのタラモサラダが!
ピンクと白がきれいな中身! お母様はフィリングとおっしゃっていたけど……セシル兄もこっちは食べたがっていたから、食べなくちゃ!!
卵かけご飯は、ちょっとずつ好きになってほしいものね?
「すごい。これをリーシャが?」
「あたしだけじゃないわ。シェトラスたちがいなきゃ出来なかったもの」
「ふふ。他の人を蔑ろにしないことはいいことだわ」
「そうねん? それにしてもいい出来ー」
お母様たちにも褒められちゃった。普通のことだけど、出来ない人もいるのね? 気にはなったけれど、今は目の前のパン!!
お祈りをしてから、手に取るとまだ少しあったかい。出来立ては、作り手の特権ね! と、ちぎって食べてみれば……ふんわりしていて、美味しいいつものパンもだけど。
じゃがいもと混ぜたタラモサラダが美味しかったの!!
マヨネーズと塩胡椒以外はたらこの味付けだけなのに……もぐもぐ食べられちゃうわ!!
「美味しい!!」
「ほんとに美味しい!! 俺好きだ。メンタイコと違うのはわかるけど、これ美味しい!」
「ほんと?」
「うん、ほんと」
セシル兄に喜んでもらえるのが、一番嬉しいわ!! 今まではお母様たちだったのに、やっぱり好きな人で婚約者だからかしら?
『みゅ、みゅ、みゅ!』
ミアももぐもぐ食べていく様子が可愛い。ひとつがミアの顔くらいの大きさだから、食べるのが大変そうだけど……美味しそうに食べているから、いいものね?
「魚の卵の扱い次第で、こんなにも美味しいんなら……いくらも気になるなあ」
セシル兄が二個目を食べる前に、ぽつんとそう言ったの。あたしもそうだったから、うんうんと頷いた。
「お母様、マックス様。いくらってどう使うの? パンには難しい??」
「んー、パンにはちょっと不向きね。焼くのもだけど、サンドイッチにするのも難しいの。粒が大きいからこぼれやすいし」
「個人的には、いくら丼とか……寿司がいいわよん!!」
「「オスシ!?」」
あたしとセシル兄が声を上げるくらい、オスシは大好物!!
生のお魚が食べられるようになった、とってもとっても美味しいお料理!!
あれにいくらを使うの??
とっても気になるわ!!
「そうね。いくらの仕込み次第だけど、いい出来になったらお寿司パーティーにしましょうか?」
「「わーい!!」」
皆でパーティーなら、皆でいくらを作ろうと決まったわ!




