第133話 大好きな人が来た!
お待たせ致しましたー
「や、リーシャ」
「セシル兄!」
あとちょっとで出来上がる時に、セシル兄が遊びに来たのか厨房を覗いてきたわ。
セシル兄もお勉強がんばってきたのかしら?
「ちょっと時間出来たから、会いに来たんだ」
「うれしい!」
だっこしてもらいたいけど、今手を洗っていないからベタベタだもの。我慢だわ!
「何作っていたんだ?」
「タラコ使った、惣菜パンなの」
「? タラコ?」
「セシル兄も好きな、メンタイコの前の状態のやつ」
「マジ!? もう出来るの?!」
「今ミアのオーブンで焼いてるから、もうちょっと」
グッドタイミングよ!
セシル兄はメンタイコ大好きだから……辛くないけど、こっちも美味しいと思うの。
味見はまだだけど、絶対美味しいと思うわ。シェトラスが大丈夫って言ってくれたもの。
『出来たでしゅ!』
「「わーい!!」」
ミアの蓋が開いて、シェトラスが出してくれると……ふんわり香ばしいのに、ちょっと甘い匂いのするきれいなパンが出来上がってたわ!
切り込みを入れて、マヨネーズをちょっと乗せたとこがいい焦げ目なの!
「いい仕上がりですな」
「さっすが、リーシャ!」
「皆のおかげよ」
ミアもだけど、シェトラスやレイバルスもいなきゃ出来なかったもの。あたしひとりじゃ、子どもだからまだまだ作れない。
もっと大きくなって、出来ることが増えても……パン作りは一人じゃダメ。
たくさんの人が関わることで、美味しくなるってお母様もおっしゃっていたわ。
【『マヨネーズたっぷりタラモサラダパン』
・製造50個=150pt
次のレベルまで、6590pt
】
ステータスのptはちょっとずつ上がっていたわ。
レベルアップはまだまだだけど、焦っちゃいけない。あたしの錬金術師としての道のりはこれからだもん!!
「片付けは私たちが致しましょう。お嬢様方は、食堂でお待ちください」
「はーい」
『みゅ』
「リーシャ、行こう」
セシル兄とおしゃべりは大好きだもん。
好きになる前から好きだったけど……いつからだったかなあ?
セシル兄って、ずっとずっとかっこいいし優しいから……特別な幼馴染みだと思っていたけど。
あたし……本当にいつから、セシル兄が好きだったのかな??
「リーシャ?」
「ううん」
今思い出すのはやめておこう。
まだまだお互い子どもだから、ずっと一緒にはいられないもん。おしゃべり出来る時間は限られているしね。
いっぱいいっぱいおしゃべりしよう!
パンもたっくさん食べてほしいもん!!
食堂に行ったら、先に誰かが居たんだけど……。
「あんらぁ? リーシャにセシルじゃなぁい?」
「あら? いい匂いがすると思ったら、何か作っていたの?」
マックス様とお母様。
お母様はディオスを抱っこしていなかったけど、近くにディオスが寝てるベッドがあったわ。マックス様はお母様の『マブダチ』らしいから、特別なお友だちだって聞いてるけど……今日は何の御用でいらしたのかしら??
次回は月曜日〜




