第124話 祖父の貫禄を(アインズバック視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(アインズバック視点)
孫が。
孫たちが?!
次々と婚約!?
リーシャのでも十分に驚いたのに、王太子の息子であるエディトまで!? 立て続けに凄すぎやしないか!?
バカ息子のシュラとひっくり返っても無理ないぞ!?
「まあまあ、義母上様? もう春が芽吹いてしまいましたわ」
「ええ、そうね? ひ孫が見れるのは当分先だけど、長生きの理由にもなるわ」
母側らはそれぞれではしゃいでいる……楽観的すぎやしないだろうか? むしろ、俺とシュラが予想外過ぎだと思っているだけか?
とにかく、ここは国王として孫の前にひざまずいてやったが。
「エディト、ユイノと本当に婚約する気か?」
「はい! 祖父様! 僕はユイノ……以外に王太子妃の女性を迎え入れるつもりはありません!」
「……そうか」
本気だ。
俺はこの目を知っているぞ。
デュファンがアクシアを諦めてくれてからしばらくして、エディフィアと婚約をすると宣言したあの時と同じ。
直接的な孫ではないのに、血は争えないということか。俺自身がアクシアを諦めきれずに後妻をこさえなかったこだわりと同じだ。
まだ二桁の年にもなっていないのに、孫らのほとんどが婚約……歳を重ねるのがより一層早く感じるぞ。
「……わかった。であれば、正式にアルノルド家への書状を書く手配をしよう。書くのは、エディト。お前が自分でするのだぞ?」
「はい! 祖父様!」
「父上〜、俺の役目じゃ」
「ここは国王の出番だから、俺だ!」
シュラがようやく起き上がっても、すぐに足蹴にしたがな!
全く、子が出来てもその子に呆れられるような性格のままだとは……俺もアクシアの前では形無しだが。
「殿下? フォローはいくらでも出来ますわ。手配の準備はお譲りいただければよくて?」
「シャル〜!」
そして、嫁にも弱いのは俺によく似ていた。というか、女の方が強いんじゃないか? 王族に関係する女性のほとんどが。チャロナもなんだかんだで、あのカイルキアの手綱を確保しているようだと伝え聞いている。
とにかく、めでたいことに変わりない。婚約式は国を挙げて盛大にしよう。
「……婚約、好きな方」
ちょっと疎外しかけていたマリーナが、羨ましそうな声を漏らしていた。聞き逃さない爺は、きちんと聞くぞ!
「マリー? お前も誰かいたりするのか?」
ちょっと冗談半分で質問してみたのだが、マリーナは強く頷いた!?
「……恐れ多いですが。女神ウルクル様の御子息、アウル殿です」
「な……に!?」
半人半神とは言え、こちらは神の子を!?
下手すると、シュラ並みにヤンチャ坊主に育っていらっしゃるあの神の子を!?
なんで、身近な相手はいいんだが癖の強い人物を選ぶんだ!!
次回は火曜日〜




