第122話 確認しよう
お待たせ致しましたー
「うふ。婚約おめでとうございますわ、リーシャ」
「ありがとう、ユイノ姉」
エディトのために、ユイノ姉の心の殿方は誰かを聞き出す作戦。
実は、魔法でエディトがマリーナと一緒に透明になって隠れているけど……ちょっと聞くくらい、いいよね?
ユイノ姉は今日もぽえぽえほわほわな笑顔で、あたしの前に立っているけど……多分、エディトたちに気づいていないと思うわ。
「セシルと想い合っていただなんて。そんな素敵なこと、早く教えて欲しかったですわ」
「ごめんなさい。気づいたの、ほんとつい最近だし」
「ふふ。謝る必要はないですよ? 喜ばしいことを共有したかっただけですから」
「そう?」
「ええ」
ふんわりほわほわ、けど鋭い考え方も持ってる。
ユイノ姉がエディトと一緒になって、セルディアスを支えれば……とてもいい国を作れると思うわ。先に伯父様が即位するけど、あの人も仕事をする時はちゃんとするから大丈夫だけどは思うが。
でも、相応しいはともかくとして、ユイノ姉がエディトのことをどう思っているかは大事。政略結婚とかは、今の時代よほどのことがない限りないとされているから。
「……ユイノ姉は誰かいないの?」
なので、直球で聞いちゃうよ!!
「わたくし? いなくはないですが」
「けど!?」
「身分相応じゃないと言うか、年齢差があるから難しいのでしてよ」
「上なの?」
「逆ですわ、下ですの。今はお姉さんでもいずれおばさんになりますもの。そんな相手、お嫌だと思われますし」
年下の男の子? ミラクルとサリー姉のことはさっき伝えて喜んでいたから違うし……まさかまさか?
透明化しているエディトが騒いでるような気もするが、マリーナが押さえてくれているかも。今のうちに聞こう!
「ね! あたしも知っている人?」
「ええ。そこでお隠れになられている方でしてよ?」
「え!?」
ユイノ姉……エディトたちが隠れているのわかってた!?
魔法を使っていないように見えたのに、実は無詠唱魔法か何かで探った? あり得そうだわ。
「……バレてたのか」
「なんだぞ」
ユイノ姉が向いた方向にエディトたちが隠れてて、透明化を解いたらエディトの方は顔が真っ赤だった。
「ふふ。お久しぶりですわ、エディト殿下。ご機嫌麗しく」
ユイノ姉は凄い告白をしたはずなのに、いつも通りの落ち着きっぷり……これはますます王太子妃候補に相応しいわ!
「……久しぶり。と言うか、僕たちが隠れてたのいつからわかって?」
「最初からですわ」
「「最初から!?」」
「ふむ。感知能力は高いとは思っていたが」
「然程でも。お母様に鍛えていただきましたから」
「……叔母様」
「「叔母上……」」
娘を鍛えに鍛えそうなのは、叔母様なら納得が出来るわ……。
「さて、わたくしの気持ちは先に打ち明けましたが……今回の計画はわたくしの都合の良いように解釈してよろしくて?」
ちょっとエディトに距離を詰めたユイノ姉の顔は……黒い笑顔と獲物を逃さない視線を向けていたわ!
次回は水曜日〜




