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旦那様



「それなら、―― うちの旦那様の話も、聞いたことあるかい?」

「おめえの旦那が誰かなんて、おれぁ知らねえよ」


「ああ、そうか・・・」

 言ってなかったっけ?とチョウスケは瞬きし、辺りをうかがう。

「―― 梅林のある、『女坂』があるだろう?」


「ああ、あっちのほうか。金持ちの家ばっかり建ち始めたほうだな」


「ああ、そこの、坂のいちばん上に、おれの働いてる家があるんだよ」


「あ、わかった。あの、」


「しいーーーー!名前はいいよ。名前は。今は、『イワシタ』ってことにしよう」


「・・ふうん。で?そのイワシタの旦那さんがどうしたって?」


 手酌の酒をあおるヒコイチを見つめたまま、チョウスケが、そうかまだ噂にはなっていないか、と安心したように息をついてからはなしだした。




「―― 旦那さんは、・・・ちょっとばかり、女に情が厚い方でね」

「・・・そういう言い方があるとは驚きだな。要は、おめえとおんなじ、女にだらしのねえ男ってわけだろ?」


「いや、ヒコさん。そりゃ旦那様に失礼だ」


 顔の前で手を振ったチョウスケは、手にした猪口を一度置く。



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