会いにくる
「―― 気付いたら、畳に寝てて、慌てて飛び起きたら、女たちはいなくなってたけど、やっぱり旦那様が煙管をすいつけて、背中をむけたままでさ。 とにかく怖かったから、 今のはなんですか、って思わず怒鳴っちまったんだ・・・」
――― チョウスケ。やっぱりオタマは、このおれがいいとさ
――― は?
旦那は煙管でゆっくりと庭をさし、三方に植えられた、桃と梅と桜をさした。
――― 桃はオエイ。梅はオタマ。・・・もうすぐ咲こうとしている桜は、トキコだ。 それぞれが、死んだとき、一番きれいに花を咲かせる木を、・・・焼いた骨と、切り取ったひとふさの髪といっしょに、庭に埋めた。・・そしたらな、・・・女たちが、おれに会いにきてくれるよう、なったのさ
――― じゃあ・・・さっきのは、やっぱり・・・
チョウスケの震える声にはこたえずに、旦那は続ける。
――― はじめはな、もっと遅くに出てきてたんだが、三人がそのうち、競うようになってな。いまじゃ、五つ時をすぎるとあらわれるし、 それに、なにより、 それぞれが、自分の話を聞いてくれとうるさくてなあ・・・はは。参るぞ。 ―― 死んだ女たちに、ここまで惚れられるなんて。いや、ほんと、まいった




