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ちょいと気になって
「―― 焦ったみたいな、信じられないような顔の旦那様に大声で問いただされて、泡くって謝ったさ。 『 てっきり、《みたてあそび》だと思ったので、調子に乗ったことをくちばしりました。おれはオタマさんなんて方、存じ上げませんし、このお屋敷で女の方にあったこともございません 』って」
何かがぬけるように旦那の顔が元にもどり、そうか、と力のない声が、安堵のような息をのせた。
――― いやわるかった。おまえは顔が良い男だから、ちょいと気になっていてね。・・・何もないなら、それでいいんだ
その、三日ほどあと、薪を割っていたチョウスケは、また旦那に声をかけられた。
――― おいチョウスケ、どうやらな、オタマもお前が気に入ってるようだぞ
どういうことか、全くわからないが、旦那の顔をみれば、悪いことではないようなので、とりあえず頭を下げてもごもごと礼を口にしておいた。
さらに二日経ってから、今度はついに、旦那の部屋に呼ばれた。




