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長屋のチョウスケのはなし  作者: ぽすしち


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みたてあそび





「・・・あそこに勤めだして、おれも二年はたつからよ、少しは顔も名も覚えてもらえて、庭の手入れ中なんかに、声をかけてもらえるのよ。―― でな、旦那様が、庭にある、桃と梅と桜の木をさして、『おまえは、この三人の中で、誰が好みだ?』なんて聞きなさる。 はじめは驚いたけど、こりゃきっと、《木を女にみたてた》 遊びだな、と思ったからよ、おそれながらこの自分は、あちらの梅が好みです、と答えたのさ」




 ――― ほお。おまえはオタマが好みか?ずいぶん玄人好みだな



 旦那はご機嫌な声で笑い、チョウスケの好みを喜んだ。




 女に関しては、ちょっとばかりいろいろ渡ってきた経験がある。

 旦那の『みたてあそび』に興味を持ったせいもあり、軽い気持ちで返してみた。



 ――― はい。春先にあの色香をふりまかれちゃ、まどわされないわけにもいきません。今年は特に、花のほころび具合も艶っぽくて、まいりました

 


 


 すると、突然旦那の顔つきが変わった。


 さっきまでの機嫌のよい笑顔も空気も消え去って、驚いたようなこわばった顔でチョウスケに詰め寄った。



 ――― おい、おまえ、まさか、オタマに言い寄られたのか!?





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