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第5話 少女の変化と前世を思い出す悪役令嬢

「無能・・お菓子上げる」

リアンが少女に向かって、クッキーを投げる。


少女は拾うが、いつものようにリアンはお菓子に指を差し詠唱をする。


「フフ、着火!」


「!!何故、火がつかない!無能、お前、何かしたのか?いや、そんなはずは、そうよ調子が悪いのよ!」


少女は無言で、クッキーを砕くと、小鳥たちにあげた。


「フフフフ、フフフフ~~ン♪」

フランの歌をさえずる。


「無能が何かしたわけではないわ!いいわ。皆とドレスの話をするわ」


・・・こうして、見ると、リアンは、原因を考える能力がない。

いつも、失敗すると調子が悪いせいにして、友人たちを集めてドレスの話をする。


ハンスお兄さんは、失敗したら、原因をいくつも考えるよ。

そして、改善する。

的外れだったら、また、考察する。

遅いが確実に成長する唯一の手段。


そして


「ウォーターボール!無能、水浸しになれ~」


「あれ、水が消えるだと、無能、儀式失敗したのは、やはり、お前が邪神か何かを召還したな!」


途中で、水は消えた。


・・・リヒトは失敗すると、他人のせいにする。

フランお姉さんは、リーダーとして、失敗は自分が引受ける。

上手くいっているときは、皆のおかげと肩を並べ一緒に喜んでくれる。


父とかつて、呼んだ存在は


「悪が攻めてくるのだ。聖戦である。戦時税を払うのだ!」


「そんな~これ以上取られるとしたら、私たちは何を食べれば良いのですか?」


「ふん、知るか!努力しろ!」


・・・他人に努力を強要し、自らは決して努力をしない。

安易な方向に逃げる。

ローザお姉さんは、人一倍努力するよ。


少女は、3人に、目を細めて、観察すると

角の生えたナニカが、ついていた。


・・・精霊が、変化したもの・・


少女は、ザックに陳情に来た。農民の後をつけた。


「はあ、もう、死ぬしかない。税金8割なんて、地獄だよ。更に取るって」

「他の領地に逃げる」

「いけないよ。重税すぎて、他領に行く路銀もない」


「フフフフ~~ン♪」


「「「!!!!」」」

「あああ、お屋敷の忌み子、何で来た。ここには、食べ物ねえ。畑のあぜ道を歩いているぞ・・作物を取る気だ!追い返せ」


「・・・おやめ!」


老婆が、少女を追い払おうとした農民を止めた。


「皆、わかっているだろう。虐げられているワシらが、更に虐げられる子を迫害して何とする・・それにあの茎のように細い子が食べる量なんてたかが知れているだろう。見なかったことにするのだ」


「んだ。んだ」


少女は作物には手を付けなかった。


「ただ、歩いているだけか?」


しかし、中には、少女を虐げる農民もいた。


「忌み子め。あっち行け、お前がいるから、不作続きなんだよ!」


少女は素直に踵を返す。


何故、そうしているのか、本人にもわからない。

ただ、夢に現われた女性が、そうすると喜ぶと感じた。



☆☆☆数日後


「何だよ。作物が元気になっているぞ。イモは、もう食べられるくらい生長している」


「畜生、俺の村は、いつも通りだぞ。そっちは何か変わったことをしたのか?」


「いや、何も、そう言えば、お屋敷の忌み子が、来たな・・・」


「俺のところにも来たが、追い返したぞ」


「あの子のおかげだね」


「「「婆さん!」」」


「そうさね。昔は、ここの領地は、女神教、精霊教、森神教、酒神教の信者が仲良く暮らしていた。ケンカもしたが、信じる神の悪口はいわなんだ。

お前も、覚えあるだろ?

土地の精霊の力が弱くなったら、聖女様や、精霊の愛し子様や、巫女様や、守護人様が、宗教に関係なく、畑を廻って、地力を回復してくれたよ」


「そう言えば、そうだった。いつから忘れていたのだ」


「じゃあ、あの忌み子は・・聖女様」


「それを言ったらダメじゃ。ここでは・・」


「「「殺される・・」」」


「あ~何だって、俺は追い返したのだ!グスン」



☆☆☆アレクサンドル公爵邸応接室


「あの使者と面談した結果、あれは、精霊教ではありません。公爵代理様におかれましては、そこのところ充分に勘案下さることを期待します・・」


「そ、あれは宗教ですら無いのかもね」


エリザベスは使者を精霊教の司祭に調査を依頼していた。

オリハルコン教団の使者を取り調べた精霊教のドメル司祭は、辟易していた。


「欲望即精霊界などの造語を作り。ひたすらオリハルコン教団の主催者、ザック師の栄光をペラペラと何時間も話します。

使者には、精霊が変化したものがついてます。

力は弱いですが、集団になると厄介です」


「そ、なら、集団で対面しないようにマニュアルを作成するように手配ね」


トントンとドアがノックされる。

対談中の遮断は緊急の用事に限られる。


「公爵代行様!オリハルコン教団の使者がまた来ました。今度は10人です。全員オリハルコン教団副団長を名乗ってます」


「!危険です。10人だと何か力を発揮するかもしれません。ここは追い返しましょう」

「いいえ。会いますわ。セバン、手配をして」


「はい、代行様!」




☆☆☆接遇の間


「裏切ると言うの?」


「「「「いえ、私らをオリハルコン教団の指導者にしてもらえば、更に税金を払います!」」」


「これ以上、とったら、農民(納税者)がいなくなるわ。愚策ね」


エリザベスが目をこらすと、使者らの頭の上に、薄らとだが、角の生えた精霊のようなモノが見えた。


☆☆回想


『姉さん。幹部の言う通り、祈っていたら、就職が決まったよ。やはり、僕は選ばれた存在なんだ!』


『それはお父様が尽力をしたおかげよ。お父様に礼を言うべきだわ』


『違う。僕の祈りが親父を動かした!姉さんはもういい!』


『太郎!』


・・・弟は新興宗教の集会に行ったきり帰って来なかった。

帰り、事故にあった。

弟との最後の会話?


・・・・


(何故、それを今、思い出す)


最後までお読み頂き有難うございました。

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