和解
「弟を救うのに特別な理由が必要なの?」
一片の迷いもない即答だった。眼差しも表情もまるで当たり前の事実を言ったかのようだった。しかし、ベインはしがみつくように質問し続けた。
「……知っていました。二年前から姉君がまるで別人になったかのように変わったということは。しかし認めたくありませんでした。今さら変わるほどのことだったとすれば、今まで俺が感じてきたことは何だったのか。そんな意地を張りながら、姉君が何を言っても徹底的に無視しただけでした」
「それは結局私のせいでそうなったんじゃない」
「気絶する直前に姉君がおっしゃいましたね。謝りたかったって。姉君はそんなことさえまともにできない姉で申し訳ないとおっしゃっていましたが……まともにできなかった理由は俺が受け入れなかったからです。姉君はそんな俺が憎くないんですか」
パメラとしては少し意外だった。ベインがこんなに落ち着いた態度で自分に話しかけているのも、まるで自分の過ちを認めるかのように言うのも。ついに訴えを受け入れてくれたと思うと嬉しかったが、どういう意図なのか少し不安だった。
「それは結局私が犯したことが私に戻ってきただけだったから。貴方を憎いと思ったことは一度もなかったわ。私に憎むべきことがあるとすれば、それは私が犯した過去だけなのよ」
「だからといって自分の命をかけてまで俺を救う必要はありませんでした!」
ベインは突然大声を上げた。彼は怒りで歪んだ表情でパメラを睨んだ。しかし、パメラにはその顔が今にも泣きそうに見えた。
「俺は失敗しました……! 蛮勇を振るった末にマルキア卿が死ぬところでした。いいえ、姉君がいらっしゃらなかったらきっと死んでいるはずです。そして姉君が来た後は無理してまた戦闘に参加し、姉君の負担がさらに大きくなりました。俺がそんなことをしなかったら、誰も怪我をせずに平和に終わっていたでしょう!」
「それは知らないことよ。そして貴方の魔法はかなり役に立ったわ」
「それは結果論に過ぎません!」
パメラは理解した。ベインが何のために怒っているのかを。
彼は自分自身に怒っていた。姉の変化を頑固に無視し、姉を凌駕すると意地を張ってきた自分に。しかし、その結果は自分のせいで誰かが死ぬところだったという事実だった。その上、その一人は自分がそれほど憎んでいた姉であり、姉の負傷は他の誰でもない彼を救うためだった。それを自責しているのだ。
理解したので、パメラは必ず言わなければならないと思った。
「……昔の私はね。すべての人には役割があると思ったの」
突然の告白。ベインはすぐに理解した。これはパメラの告解だと。
「どうして幼い頃にそんなことを考えるようになったのかは覚えていないわよ。とにかく私は人間とはただその役割を遂行するための存在だと思ったの。皇族は国を導くための存在。求められるのは能力と義務だけで、感情というのは皇族に必要ないものだと信じた」
だが、いざそう言うパメラは暇さえあれば嘘で使用人たちを苦境に陥れた。
パメラは考えた。今さら考えてみると、心の片隅には実は自分のそういう思想に不満があったのではないかと。ただストレス解消が目的だったのか、それとも関心を引こうと悪いいたずらをしたのかは自らもよく分からない。だが明らかなことは、自ら規定した〝役割〟に相応しくない行為をあえて犯したということだ。
その上、パメラは両親の愛を平気で受け入れ、愛される娘として両親に接した。それはただ愛される娘という〝役割〟のためのものではなく、心から親を愛したものだった。いくら子どもだったとしても本当に矛盾していると、パメラは思わず苦笑いするところだった。
だが、その矛盾が実の弟を傷つけてしまったという事実が、苦笑いを抑えさせた。
「私にとって父上と母上以外のすべての人はただの役割を持った道具に過ぎなかったの。個人を個人として認識しようとしたことがなかったわ。私自身さえも。でも……でもね」
パメラはベインの手を握った。そして次の瞬間、ベインを強く引き寄せた。ベインは驚いたが、抵抗はしなかった。パメラはそのまま彼を抱きしめた。顔が見えない中、パメラの声だけがベインの耳に触れた。
彼女は涙声を出していた。
「私……知っていたの。みんなが私の態度を良くないと思うこと。貴方が私のせいで傷つくということ。全部知っていたの。知っていながら無視したのよ。人の感情を、傷を、心を……価値があるとは思わなかったから」
それがパメラの最大の罪悪感だった。
彼女は知らなかったわけではなかった。知っていながらも、全部理解しながらも無視して否定した。その結果、ベインが歪んでいることまで全部知っていながらも。
「ごめんね。本当にごめんね。こんなお姉ちゃんで……気付くのが遅すぎてごめんね。今まで心を痛めてごめんね。言葉でしか謝罪できないお姉ちゃんでごめんね」
「……過去の姉君に問題があったことは否定しません。俺も被害者でしたから。しかし……」
ベインは姉の腕を優しくほぐした。体を離して顔を合わせると、涙まみれになった姉の顔が見えた。みっともない姿とは全然思わなかったが、別の理由で眉をひそめた。
「しかし、それは俺の過ちへの免罪符にはなりません。二年前以前の姉君に過ちがあったのと同じく、二年間俺にも過ちがありました。そして今回のことは俺の過ちです」
「違うの、貴方は私のせいで傷ついただけじゃない。私が……」
「いいえ、こちらこそ……」
しばらくお互いに自分の過ちを主張する時間があった後、二人は話を止めてお互いを見つめた。そしてしばらくして爆笑した。
「プッ、アハハハ! 何これ、私たち何してるの?」
「プフッ、そうですね、まったく……プハッ!」
二人はしばらく笑い止まなかった。目の前の状況に関するものではなかった。まるで長い間抱いてきたしこりから解放されたのが嬉しいような、そんな自分たちを祝うような爆笑だった。
爆笑がやんだ後も、お互いを見つめる眼差しに否定的な感情はなかった。
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