精霊物語
自作発言禁止
BGMはOK
キャス画にこだわりはございません。
所要時間は分かり次第更新致します。
録画が残っていたらききに行くかもしれません
精霊物語/作者:香乃木雪兎
お題:雨・紫陽花・空・パン
1:1:2の声劇台本です
●登場人物●
・ユキト♂/赤の子鬼♂
リリアンと仲良し
穏やかな天然の青年
・赤の子鬼♂
気が強い性格。でも臆病でもあり、他者に対して威嚇しがちな子鬼
チャーミングな面もある
・リリアン♀
時々抜けているしっかり者。ひっそりとしている少女
ユキトを兄のように慕っている。
・水の精霊 ♂or♀
元気いっぱい。人間が好きな水の精霊。
・緑の子鬼♂or♀
泣き虫で子鬼族の仲間内から孤立している心優しき子鬼
笑顔が素敵
配役表
ユキト/赤の子鬼♂:
リリアン♀:
水の精霊♂or♀:
緑の子鬼♂or♀:
リリアン:「雨が降ってきた…!どこかで雨宿りしないと」
リリアンN:今日も街へ焼きたてのパンを買いに来た私。のんびりしていたら、あら大変…。
雨に降られてしまい雨宿りする羽目に。パンが冷めちゃうわ…。と思いつつ民家の屋根の下に。
水の精霊:「ねえねえ、僕と遊ばない?」
リリアン:「どなたかしら。見渡しても…誰もいない」
水の精霊:「ここだよ~。君の左肩」
リリアン:「あら…!精霊だわ」
水の精霊:「ふふふ、よかったぁ。気が付いてくれた」
リリアン:「ビックリしたわ…初めて見た」
水の精霊:「僕たちは普段は隠れているからね」
リリアン:「そうなのね…お洋服の色、綺麗ね。澄んだ湖の色」
水の精霊:「そうだよ!何を隠そう、水を司る立派な精霊なんだ!」
リリアン:「ふふふ、かわいらしい」
水の精霊:「ありがとう」
リリアン:「そういえば、名乗ってなかったわね。私はリリアンよ」
水の精霊:「リリアンかぁ。素敵な名前だね」
リリアン:「ありがとう!嬉しいわ。可愛らしいあなたのお名前は?」
水の精霊:「それが…僕たちには名前がないんだ」
リリアン:「そうなのね、私が名前をつけてもいい?」
水の精霊:「それはダメ…!」
リリアン:「え!何故なのかしら」
水の精霊:「名前を付けるという事は人間界にとどまらせる、使役して存在を縛るということなの。仲良くなればそれでもいいけどね♪」
リリアン:「わかったわ、何て呼べばいいのかしら?」
水の精霊:「精霊さん。とでも呼んでよ!」
リリアン:「わかったわ、精霊さんと呼ぶわね」
水の精霊:「ありがとう、よろしく!リリアン」
リリアン:「ええ、こちらこそ」
水の精霊:「あ、そろそろ雨が止むよ。また雨が降らないうちに家に帰らないと」
リリアン:「本当だ。一緒に遊べなくてごめんなさいね」
水の精霊:「ううん、おしゃべり出来て楽しかったよ!また会おう」
リリアン:「ええ、またね。お元気で!」
水の精霊:「お互いに~!」
(間)
リリアン:「やっと家に着いた。焼き立てのパン…冷めていないといいけれど」
SE:(扉をたたく音)
ユキト:「リリアン、いるかい?」
リリアン:「あら、ユキトさんだわ。今帰ったところよ」
ユキト:「そうなんだね、ジャムの差し入れ。はい。さくらんぼのジャムだよ」
リリアン:「まあ!ありがとう♪丁度、街まで行ってパンを買ってきたところなのよ」
ユキト:「うん、タイミングが良かったみたいだ。雨が降っていただろう?温かい服装でゆっくりね」
リリアン:「ありがとう。いつも助かるわ」
ユキト:「いえいえ、リリアンにはお世話になっているからね。アップルパイ、家族にとても好評だったよ」
リリアン:「それは嬉しいわ!作ってよかった」
ユキト:「では、そろそろ失礼するよ。何かあったら連絡してくれ」
リリアン:「ええ、わかったわ。道中お気をつけてね」
ユキト:「ああ、ありがとう」
(間)
リリアン:「さてと…お腹が空いたことだし朝食を食べますか」
水の精霊:「おーなかすーいたぁ!」
リリアン:「わぁ?!」
水の精霊:「あはは、驚いた?」
リリアン:「驚いたわ。どうしてここに…」
水の精霊:「リリアンの香りがしたから、ふらっと寄ってみたんだ」
リリアン:「そうだったのね。もしよかったら、食事をご一緒する?」
水の精霊:「え、いいの?ノリでお腹空いた~と叫んだけど…ご一緒してもよかったら!」
リリアン:「もちろん。いいわよ。誰かと食べる方が美味しいもの♪」
水の精霊:「ありがとう!食事の支度、なにか手伝えることある?」
リリアン:「そうねぇ…テーブルクロスを整えてもらえるかしら?」
水の精霊:「はーい!」
リリアン:「私はパンを切ったり、スープを作ったりしているわね。」
水の精霊:「楽しみ~」
リリアン:「そう言ってくれると、作り甲斐があるわ。」
水の精霊:「えへへ」
リリアン:「先程、ユキトさんがさくらんぼのジャムを持ってきてくれたの。それも出すわね」
水の精霊:「わぁ。さくらんぼのジャム!大好きなんだ。ユキトさん…って友達?」
リリアン:「そうなの、いい人よ。ふふ。じゃあ、任せたわよ」
水の精霊:「まかせてー」
リリアン:「パンを斜めに切って…ジャムも添えて」
水の精霊:「テーブルクロス、整え終わったよ~」
リリアン:「あら、仕事が早いわね。素敵!次は…裏庭から人参を一本持ってきてくれる?」
水の精霊:「はいはーい!」
リリアン:「私も一緒に行くわ。他の食材も持ってこないとね」
水の精霊:「うん!ワクワクする」
リリアン:「元気ね…♪素敵な事だわ」
水の精霊:「ん、何か言った?」
リリアン:「精霊さんはとても元気で素敵。と思ったのよ」
水の精霊:「えへへ…そうかな?行くよー。急いで急いで!」
リリアン:「食材は逃げないわよ」
水の精霊:「鮮度は落ちるよ!美味しい内に食べるのだ~」
リリアン:「そうね」
水の精霊:「これかな?うぐぐ…重い。これが美味しいのかな~。悩むぅ」
リリアン:「重かったらこちらの籠に入れて頂戴。選んでくれてありがとう」
水の精霊:「うん…これぐらい平気…って、わぁ!!」
リリアン:「無理は禁物よ。怪我はない?」
水の精霊:「平気だよー!ごめん。人参落としちゃった…」
リリアン:「気にしないで」
水の精霊:「う、うん…ありがとう。お願い持って」
リリアン:「わかったわ。任せて」
水の精霊:「トマトに人参…あとはバジルとジャガイモ、玉葱…」
リリアン:「野菜たっぷりのトマトスープにするのよ」
水の精霊:「わぁ、とてもいい案」
リリアン:「さて、早速食材を切っていくわね」
水の精霊:「僕に手伝えることある?」
リリアン:「そうねー…庭の植物に水あげをお願いしてもいい?」
水の精霊:「得意分野だ!行ってきます」
リリアン:「行ってらっしゃい。頼んだわよ」
(間)
リリアン:「ふぅ、そろそろ煮えたかしら」
水の精霊:「水やり終わったよー!とっても綺麗な庭だね」
リリアン:「おかえりなさい!お疲れ様。精霊さん。ありがとうね」
水の精霊:「ふふ、朝飯前だよ!」
リリアン:「助かるわ♪」
水の精霊:「くんくん…いい匂いがするー!」
リリアン:「野菜たっぷりのトマトスープが出来たわよ」
水の精霊:「美味しそう!早く食べたいな」
リリアン:「先ずは、手を洗ってからね。食器によそってセッティングしないと」
水の精霊:「はぁーい」
リリアン:「セッティングしておくから、手を洗い終わったら庭にあるテーブルで食べましょう♪テーブルクロスもいい感じ」
水の精霊:「洗ってくるね~」
リリアン:「行ってらっしゃい!あとはお料理をよそって…よし完成」
水の精霊:「ただいま!」
リリアン:「おかえりなさい、用意し終わったので一緒に食べましょう♪」
水の精霊:「うん!楽しみ。美味しいだろうなぁ」
リリアン:「最高の出来よ。お楽しみにしていて」
(間)
水の精霊M:こうして。彼女、リリアンとの時間が緩やかに過ぎてゆく。
僕は、人間が怖いという仲間達の気持ちもわかる。それでも、人間というのは不思議で…。
優しいオーラがわかるのだ!そんな感じの香り。
皆が皆、怖い人じゃない。そう信じているんだ。
リリアンM:私はリリアン。日々、お菓子作りをしたり、植物を使った占いをしたり。ひっそりと暮らしている。最近、精霊さんと仲良くなったのよ♪
これからがもっと楽しみ。
水の精霊:「美味しかったぁ~!」
リリアン:「うふふ、喜んでくれてよかったわ」
水の精霊:「お礼に、特別なお茶のレシピを教えてあげる!」
リリアン:「特別なお茶のレシピ?」
水の精霊:「疲れた時のスペシャルブレンドレシピだよ」
リリアン:「まあ!なんだか嬉しいわ。どんな材料を使うの?」
水の精霊:「それぞれの季節のお花…今の時期なら紫陽花の朝露、空の息吹…あとはフレッシュハーブ」
リリアン:「それって、どうやって入手するの…?!」
水の精霊:「え、その辺りを見渡せば光があるから、手をかざすんだよ」
リリアン:「教えてくれてありがとう。私には難しそうだから、今度作ってきてもらえると嬉しいわ」
水の精霊:「うん!わかった~。材料集めてくるね。また来るよ」
リリアン:「ええ、ありがとう。また来てくれると嬉しいわ」
(間)
SE:(扉をたたく音)
ユキト:「やぁ、リリアン。こんにちは!お散歩日和だね」
リリアン:「あら、ユキトさん。こんにちは。日差しが気持ちいいわよね」
ユキト:「街の人に聞いたのだけれど、最近、何かいいことあった?笑顔が増えたって言っていたよ」
リリアン:「ええ、新しいお友達ができたの」
ユキト:「へぇ、それは嬉しくなるね」
リリアン:「精霊さんなのよ。よく遊びに来てくれて一緒にお喋りしたり、食事したりしているわ」
ユキト:「精霊!彼らはなかなか姿をあらわさないから。ビックリしたよ」
リリアン:「元気いっぱいな性格で、とても楽しいのよ。今も庭に遊びにきているわ」
ユキト:「へぇ、僕も会いに行ってもいいかな?驚かれるだろうか」
リリアン:「聞いてみるわね」
ユキト:「ああ、お願いするよ」
ユキトN:リリアンと僕の出会いは不思議でもなく、僕のうっかり話だった。
ユキト:「あ…しまった。お財布どこかに落としちゃったようだ…困ったな」
リリアン:「ん…?困り事かな。きょろきょろしている」
ユキト:「あの、お財布落としちゃって。この辺りで見なかったかな?」
リリアン:「うーん、そこの草むらに何か落ちていますけれど…。それは?」
ユキト:「え!?これは…僕のお財布だ」
リリアン:「見つかってよかったです♪」
ユキト:「灯台下暗しだったね…あはは(苦笑)でもまぁ、見つかって本当に良かった」
リリアン:「あるある!私も経験あります」
ユキト:「見つけてくれてありがとう」
リリアン:「どういたしまして」
ユキトN:…という出来事があり、それ以来、仲良くさせてもらっている。良き友人だ。
(間)
水の精霊:「うーむ。香りがいいお茶のレシピまた作ろうかな…」
リリアン:「精霊さん、ここにいたのね」
水の精霊:「お茶のレシピを考えていたところだよー!」
リリアン:「そうなのね!素敵♪そうそう私の友人が来たのだけれど、ちょっと話してみない?この間のユキトさんよ」
水の精霊:「ん?僕はかまわないよ~。怖い人でなければOK!」
リリアン:「ありがとう。穏やかな人だから安心して」
ユキト:「ここから声がした…リリアン?」
リリアン:「あ、ユキトさん!精霊さんと話していたの」
ユキト:「ごめんよ、気になってつい勝手に入ってきてしまって」
水の精霊:「お!ユキトさんという人かな?」
ユキト:「ああ、そうだよ。初めまして」
水の精霊:「お初だよ~!僕は水の精霊なんだ。名前は理由あってない」
リリアン:「あ、忘れていた!私は買い物に行ってくる。二人共、お留守番をお願いするわね」
水の精霊:「はーい、いってらっしゃい。リリアン」
ユキト:「いってらっしゃい。リリアン」
水の精霊:「宜しくね!ユキトさん」
ユキト:「ああ、宜しく。精霊さん…でいいのかな?」
水の精霊:「うん!そう呼んで」
ユキト:「ユキトさん…だとよそよそしいから、呼び捨てにしてくれても構わないよ」
水の精霊:「ありがとう!ねえねえ、ユキト。今、悩んでいることがあって…相談に乗ってほしいんだ…駄目かな?」
ユキト:「何だい?僕でもよければ相談に乗るよ」
水の精霊:「うん。ありがとう!実は…」
ユキト:「うんうん」
水の精霊:「リリアンって何が好きなんだろう」
ユキト:「何が好き…とは」
水の精霊:「うーん。あのね、普段遊び相手になってくれているんだ」
ユキト:「そうなんだね」
水の精霊:「何か、リリアンの役に立ちたいんだ」
ユキト:「役に立ちたいか…何をしたい。とかあるのかい?」
水の精霊:「困っている事があったら力になりたい。料理も何が好きとかも知りたい」
ユキト:「あはは、今の穏やかな生活を一緒に続けていればいいんじゃないかな」
水の精霊:「そうかな。それでいいの?今のままで、楽しんでくれているのならいいんだけど」
ユキト:「うん、最近見かけるリリアンは笑顔が素敵なんだよ。前よりね」
水の精霊:「へぇ!それを聞いて安心した。よぉーーし!もっと人間と仲良くなるぞ」
ユキト:「僕も協力するよ」
水の精霊:「うん!ありがとうだよー」
(間)
リリアン:「ただいま。二人共」
ユキト:「おかえり。リリアン」
水の精霊:「おかえり!リリアン」
リリアン:「ふふ、私が買い物に行っている間に仲良くなったのね♬いいことだわー!これ、お土産よ」
水の精霊:「わぁ、嬉しい!ありがとう!」
ユキト:「どうもありがとう。これは…りんご飴か。懐かしいね」
リリアン:「ええ、昔、一緒に食べたわよね」
水の精霊:「りんごあめ…?甘くてキラキラしている。美味しそうな旋律も奏でている」
ユキト:「そうだね。素朴なりんご、水飴の甘さ。美味しかったね」
水の精霊:「うーん。甘いキラキラって…かたいんだね。りんごはシャッキリとした音がする」
リリアン:「表現が神秘的ね」
水の精霊:「えへへ」
ユキト:「精霊さん、名前がないと言っていたけれど…何か理由があるのかい?」
水の精霊:「ん?ああ、ユキトには言っていなかったかぁ」
ユキト:「ああ、教えてもらえないか。気になっていて」
水の精霊:「僕らは精霊界に住んでいるんだけれど、主になる人しか名前を付けられないの。それは何故かというと、人間界にとどまらせる、名前をもらって使役されるという意味なんだよ」
リリアン:「初めてお会いした時、そう言っていたわよね。」
水の精霊:「人間が好きな僕にとっては、ある程度仲良くなれば名前を付けられてもいいなぁ。とは思うんだ。種族の壁なんて飛んで行けーーーだ」
ユキト:「ふふふ。面白いな。種族の壁か」
リリアン:「そうね。確かに…仲良くなれると嬉しいものね」
水の精霊:「でしょ~♪ん?くんくん…ここに来る途中、違和感ある場所に寄らなかった?」
リリアン:「んー…特には。不思議な石があったのは覚えているわ。光っていたような気がしたの」
水の精霊:「それだ!それなんだ。違和感のある場所」
ユキト:「なかなか、光っている石は見ないよね」
リリアン:「そうかしら…」
ユキト:「リリアン、時々抜けている気がする。しっかりしている不思議な感じ?」
リリアン:「まあ!ユキトさんに言われたくないわね…天然さんなんだから。ふふ」
ユキト:「おや、言ってくれるね…確かにうっかり度は大きかったけどね」
水の精霊:「仲がいいね、あはは!いい事だ」
リリアン&ユキト:「(苦笑)」
(間)
緑の子鬼:「今日も一人ぼっち…皆どこにいっちゃったの。でも一緒にいるのも不安だな」
赤の子鬼:「ん…?緑子鬼か。なんなんだ?あいつ。俺の事避けている気がする…」
緑の子鬼:「あ、赤子鬼!探したよー」
赤の子鬼:「ん、緑子鬼か…お前は俺の事嫌いなのか?最近、目も合わせてくれないから」
緑の子鬼:「そんなことない…!仲間として好きだよ」
赤の子鬼:「それなら、何故そんなにも不安そうにするんだ?楽しくなさそうにしている」
緑の子鬼:「え…」
赤の子鬼:「何も言えないんだな…!嘘つきな奴」
緑の子鬼:「あの…そんなに他の種族に対して意地悪しなくてもいいんじゃないかと思うんだ」
赤の子鬼:「蔑まれてきた歴史を忘れたのか?」
緑の子鬼:「忘れていない」
赤の子鬼:「忘れていないのなら、どうしてそんなにも味方をする」
緑の子鬼:「味方してないよ。ただ…種族が違っていても僕たちは同じ世界で生きているんだよ?だから」
赤の子鬼:「だから…なんだ?俺は他の種族が怖い。受けた仕打ちを忘れない。相手が困っても自業自得だろう」
緑の子鬼:「だからって、道に迷わせるのは間違っていると思う」
赤の子鬼:「じゃあ、和解しろ…と言うのか。お前は」
緑の子鬼:「そうだよ」
赤の子鬼:「冗談じゃない!そんなの馬鹿らしい」
緑の子鬼:「話を聞いて。ただ和解しよう。と言っているわけじゃないよ」
赤の子鬼:「緑子鬼、お前の詭弁なんて聞きたくもない。じゃあな」
緑の子鬼:「あ!!待ってよ、赤子鬼――!!」
緑の子鬼M:僕はいつも一人でいることが多い。でも昔はそうじゃなかった。
仲間たちが一緒にいてくれていたから。それでも、その内に同族の他種族への攻撃性に違和感を持ったのだ。いや、僕らは臆病だから威嚇してしまうのかもしれない。それ故に孤立してしまう哀しさを知った。
(間)
水の精霊N:リリアン達の会話シーン。
水の精霊:「ここは僕の出番だ!光る石のある付近に珍しい素材が眠っているかもしれない」
ユキト:「探すのかい?危険そうだけど…そうでもないのかな」
水の精霊:「危険が迫ってきたら僕の力で守って見せる」
リリアン:「心強いわ。お弁当持って珍しい素材を探しに行く?」
ユキト:「そうか…精霊ってすごいね。行こうか」
リリアン:「待っていて、軽くサンドイッチを作ってくるわ」
水の精霊:「リリアンのサンドイッチ~♪」
リリアン:「あら、とても嬉しいわ」
(間)
赤の子鬼:「おや、誰かが森に来る予感がする。くくく…悪戯してやろうかな」
緑の子鬼:「赤子鬼―!ここにいたんだね。探したよ」
赤の子鬼:「ふん…っ、お前何の用だ?俺の邪魔しに来たんじゃないだろうな」
緑の子鬼:「邪魔って…。何かするつもりだったの?!」
赤の子鬼:「他種族どもがこの縄張り(なわばり)に入ってくる気配がしてな、悪戯と言うスパイスを」
緑の子鬼:「そんなチャーミングにさらっと言ったって誤魔化されないよ!」
赤の子鬼:「お前って、そういうキャラだっけ。」
緑の子鬼:「え…個性は変わりゆくものだと思う」
赤の子鬼:「面白いな。緑子鬼って」
緑の子鬼:「今、気が付いた?なんてね。赤子鬼は可愛いところあるよね。」
赤の子鬼:「そ、そうか?」
緑の子鬼:「うん。その反応。わざわざ『悪戯と言うスパイスを』だって言っていた」
赤の子鬼:「はっ!!それは…別に緑子鬼に褒められても嬉しいわけじゃないんだからな!」
緑の子鬼:「素直じゃないなぁ」
赤の子鬼:「いくぞ、悪戯はやめた。調子が狂った」
緑の子鬼:「はいはい。食事の時間だね。何食べようか」
赤の子鬼:「俺は肉がいい」
緑:「僕は…野菜。楽しみだね。ふふ」
(間)
リリアン:「さて、サンドイッチも飲み物も持参したことだし。行きますか」
ユキト:「うん、行こうか。リリアン、足元に注意して…!」
リリアン:「ええ、ありがとう。」
水の精霊:「さーて、出発進行!!」
リリアン:「元気いっぱいね♪」
ユキト:「そうだね。あ、あそこ光っている石があるよ。」
水の精霊:「それだーーー!ささ、見てみて素材の原石かもしれないよ」
(間)
リリアン:「わぁ…不思議な森の中に瞬間移動した…?!」
ユキト:「ああ…ここは一体」
水の精霊:「ここは魔法界の森だ…!さては…子鬼族の村があるな。そんな雰囲気」
ユキト:「水の精霊はそういうのもわかるんだね」
水の精霊:「えへへ、すごいでしょ♪」
ユキト:「そうだね、素敵な能力だ」
リリアン:「ねぇねぇ、あれ何かしら?」
水の精霊:「おー。何か発見したんだね!見てみる」
ユキト:「僕も行ってみるか。よっと…わぁ!!」
リリアン:「ユキトさん!!!」
水の精霊:「ユキト!深い落とし穴があったんだ?!大丈夫かーー!」
リリアン:「どうしよう?!って、落とし穴の奥にユキトさんがいない…姿が見えないわ。」
水の精霊:「これは…どこかに繋がっている。必ず見つかるから、探してみよう?リリアン…!」
リリアン:「ユキトさん…うぅ…いなくなっちゃった」
水の精霊:「泣かないで。一緒に探そう」
リリアン:「わかったわ…水の精霊さん、ありがとう。ユキトさん待っていて!」
水の精霊:「その調子だよ。行こう!」
(間)
緑の子鬼:「赤子鬼~。落とし穴いくつ作ったのさ…探すのが大変なんですけど?!」
赤の子鬼:「うーん…緑子鬼、待ってよ。魔法石の反応を見ているから」
緑の子鬼:「はーい。それでわかるんだね…不思議な落とし穴」
赤の子鬼:「ああ、自作したからな。落とし穴の魔法」
緑の子鬼:「才能あるね…!すごい」
赤の子鬼:「すごいだろ?えへへ」
緑に子鬼:「こら、そこ!調子に乗らないー!たしか、落ちたら他の落とし穴に繋がって別な場所に出ちゃうんでしょ?大変じゃん」
赤の子鬼:「まあ…な。前に話したの覚えてくれていたんだな。すまん。手伝わせちまって」
緑の子鬼:「いいんだよ。僕の気持ちだから。僕は皆と一緒にいたい。遠巻きにするんじゃなくて…一緒に過ごしたい。」
赤の子鬼:「ふんっ…照れるじゃないか!俺も同じだ。緑子鬼が独りぼっちでいられると、調子が狂う」
緑の子鬼:「ありがとう…えへへ。時間が解決してくれる事ってあるよね」
赤の子鬼:「ああ…そうだな。さっ。続きだ。落とし穴魔法を消していくぞ」
緑の子鬼:「うん!」
(間)
水の精霊:「ユキトーーーー!!近くにいるのなら返事をしてーー」
リリアン:「ユキトさーーーん!」
水の精霊:「こうなったら…魔法使うしかない」
リリアン:「精霊さん、お願い!ユキトさんを見つけたいの」
水の精霊:「永遠の光よ…我を導きたまえ!ユキトのいる場所まで案内を!light!」
リリアン:「道が…光っている」
水の精霊:「さぁ。リリアン僕のそばから離れないで。急いで道を辿るよ」
リリアン:「ええ!行きましょう」
(間)
緑の子鬼:「ん?これは…lightの呪文を使った気配」
赤の子鬼:「誰かを探しているのか…もしかして。落とし穴に落ちた奴が?!」
緑の子鬼:「大変だ。探しているのだと思う。赤子鬼、行こう!」
赤の子鬼:「ああ!緑子鬼、行こうぜ…ってあれは」
水の精霊:「あ!あそこにいるのは子鬼族…!」
緑の子鬼:「水の精霊じゃないか。あとは人間もいる!」
リリアン:「あら、不思議な小人さん…。」
赤の子鬼:「すまない…もしかして落とし穴に落ちた奴を探しているのか?」
水の精霊:「うん!僕ら素材の原石を探しに来て…それでユキトが落とし穴に落ちちゃったんだ。」
緑の子鬼:「それで魔法を使ったんだね」
リリアン:「ええ、光の道を辿ってきたの。」
赤の子鬼:「落とし穴はいろんなところにあるからな…気を付けて探してくるんだぞ!こっちは落とし穴を消しているところなんだ。えーと…」
リリアン:「私の名前はリリアンというの。ありがとう。えーと…何と呼べばいいのかしら?」
赤の子鬼:「赤いスカーフをしている俺は、赤子鬼とでも呼んでくれ!隣にいるのは…」
緑の子鬼:「緑のスカーフをしている僕は、緑子鬼!と呼んでよ」
水の精霊:「僕は水の精霊だよー!名前はないから、精霊さんとでも呼んでほしいな」
リリアン:「宜しくね。子鬼さんって可愛くて素敵なのね。小さくて小人さんみたい」
水の精霊:「宜しくだよ~!」
緑の子鬼&赤の子鬼:「宜しくね!」
(台詞のタイミングがずれても大丈夫です)
リリアン:「息がぴったり…」
水の精霊:「だねだね。仲良しさんだ」
赤の子鬼:「光が消えないうちに、さあ。行くんだ。これはお守りとして…持って行ってくれ」
水の精霊:「これは…素材の原石。ありがとう!本当に嬉しい」
緑の子鬼:「僕からは…これ!」
リリアン:「まぁ、素敵な色彩の…栞?」
緑の子鬼:「そうだよ。元気になれるようエネルギーを込めてあるよ」
リリアン:「ありがとう…とても嬉しいわ。お互い頑張りましょう。」
水の精霊:「交流できるっていいな…うん!って、話し込まないようにしないと。光が消えちゃう」
リリアン:「そうね。また!赤子鬼さん。緑子鬼さん」
赤の子鬼:「おぅ、気を付けて!」
緑の子鬼:「転ばないように!またね~」
(間)
水の精霊:「ここだ!ユキトを見つけた。」
リリアン:「ユキトさーーーん!!」
ユキト:「この声は、精霊さん、リリアン。ようやく会えた!」
リリアン:「よかったわ…本当に安心した。」
水の精霊:「上がれないのか…浮遊魔法で持ち上げるよ!」
リリアン:「さぁ、手を取って」
ユキト:「魔法をありがとう、精霊さん。手を差し出してくれてありがとう、リリアン。」
SE:(服の汚れを払う音)
リリアン:「ユキトさん、お腹空いていない?」
ユキト:「ああ…歩き回ってフラフラだ。ありがとう。世話になりっぱなしで申し訳ない」
リリアン:「いいえ、いいのよー!私たちも疲れちゃったから、腹ごしらえをしましょう♪」
水の精霊:「わーい。リリアンのサンドイッチ~♪腹ペコだよー」
リリアン:「はい、手拭きも入っているわ。」
ユキト&水の精霊:「「リリアン、ありがとう!」」
(台詞のタイミングが合わなくても大丈夫です)
リリアン:「うん♪我ながら、とても美味しそうな出来栄え…頂きます。」
水の精霊:「いただきます~。」
ユキト:「頂きます…うん。美味しい」
水の精霊:「美味しい!最高に美味しいよ~」
リリアン:「ふふ、よかった。」
水の精霊:「幸せだ~~!」
ユキト:「ありがとう、リリアン。お腹いっぱいだ。ご馳走様」
水の精霊:「リリアンの手料理はとーーーっても美味、ご馳走様でした」
リリアン:「私もお腹いっぱい…作りすぎたわね(笑)」
水の精霊:「さて、そろそろ僕らは帰ろうか。それぞれの家に」
ユキト:「ああ、そうだね。いろんなことがあって充実していたよ」
リリアン:「私は帰ったら、アップルパイを焼きたいわ」
水の精霊:「僕も帰る~!」
ユキト:「リリアンは僕が送り届けるよ、そのあとお風呂に入らないとかな。」
リリアン:「まぁ、ユキトさんったら…気持ちが嬉しいわ。」
水の精霊:「僕は飛行魔法で即飛んでいける」
リリアン:「便利なのね。魔法使えるのって」
水の精霊:「えへへ、それほどでも。ねえ、リリアン。僕、名前が欲しいな」
リリアン:「え…!」
ユキト:「それは確か使役されるという意味合いでは…。」
水の精霊:「僕は後悔しないよ。喜んで!もっと楽しい時間を一緒に過ごしたい」
リリアン:「……シズク」
水の精霊:「シズク…うーん、もう少し捻った名前がいいな!」
ユキト:「何がいいだろうか…。」
リリアン:「では…ルイ。いかがかしら?」
ユキト:「可愛らしいお名前だね」
リリアン:「チャーミングな精霊さんにピッタリだと思わない?」
ユキト:「ああ、素敵だと思うよ。」
水の精霊:「ルイ…いい!とってもいいよ♪ありがとう~」
リリアン:「ふふ、なんだか嬉しいわ♪」
水の精霊:「早速、リリアンと契約だ!」
リリアン:「契約?」
ユキト:「具体的にはどうするんだい?」
水の精霊:「さっ、僕の手の上にリリアンの手を重ねて。」
リリアン:「こうするのね…。」
水の精霊:「我は水を司るもの。これより、ルイの名をもって主のもとに誓う!」
ユキト:「光が!」
水の精霊:「これで、契約完了だよ。宜しくね!マスター」
リリアン:「なんだかくすぐったいわ…初めてマスターと呼ばれる」
水の精霊:「ふふふ、すぐに慣れるよ♪早速だけど移動魔法使う?」
ユキト:「うーん、街の入り口まで飛べるのかい?それなら便利だね」
リリアン:「行けたら楽よね…。」
水の精霊:「もちろん、自由な場所に行けるよ」
ユキト:「それなら、リリアンの帰路は大丈夫そうだね。」
リリアン:「ええ、気持ちだけ受け取っておくわね。ユキトさん、ありがとう!」
ユキト:「どういたしまして、サンドイッチご馳走様でした。美味しかったよ」
リリアン:「えへへ」
ユキト:「精霊さん、リリアンを頼むよ。では、僕を家の前に移動させてもらってもいいかな?」
水の精霊:「うん、いいよ!ユキトに先に魔法を使用するね」
リリアン:「ユキトさん、風邪ひかないようにね。」
ユキト:「ありがとう。リリアンもね」
水の精霊:「いっくよー!えいっ!」
リリアン:「消えた…。凄いわ移動したのね。」
水の精霊:「僕たちも帰ろうか。マイホーム…マスターの家へ!」
リリアン:「お願いするわね」
水の精霊:「いっくよー!えいっ!」
(間)
緑の子鬼:「あの人たち、迷い人は無事に帰れたかな?」
赤の子鬼:「大丈夫だろう。お守りもあるし…きっと帰れたさ。」
緑の子鬼:「うん!落とし穴を全部消せたし、あの人たちとも喋れたし。よかった」
赤の子鬼:「ああ、今までごめんな。不安な気持ちにさせちまって…」
緑の子鬼:「ううん、今こうして仲良くできているし。気にしないで」
赤の子鬼:「ありがとう。さてー。お腹空いちまったな」
緑の子鬼:「うん、帰ろうか。クタクタだー」
赤の子鬼:「俺が作ってご馳走するぜ!」
緑の子鬼:「わーい。嬉しいな。シェフのお任せコースで!」
赤の子鬼:「ふふふ、期待してくれよ?腕を振るっちゃう☆」
緑の子鬼:「うん、帰ろう~。わが村へ!」
水の精霊N:それぞれの道は続く。人生という名の砂時計はサラサラと。
幸福の足跡はシトシトと色を鮮やかに刻み付けてゆく。
パレットを広げたように。絵の具達はユルユルと歩き出します。
そして、心の白いキャンバスに明るさを足してゆく。
時にはスパイスも。
完
使用してくださりありがとうございます!
Twitter↓
@hello_good_haro 全角の@を半角にしてください。
DMでなら反応が早いと思います。