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「ナルヨさま」
……ぼくを呼ぶのは、誰?
「ようやくこの時が来たのです」
ようやく……?
ぼくはもう、このまま眠ってしまいたい……。
「ダメです、ナルヨさま。さあ、早くガチャを回しましょう」
ガチャ……回すも何も、データ飛んじゃったんだよ……。
最初からなんて、ぼく……出来ないよ……。
「ナルヨさま。あなたの式部への愛は、その程度のものだったということですね」
……………は????
「ンな訳無いだろ!!ぼくは誰よりも式部を愛してる!!お前!さては運営だな!?こんなことしてる暇があったらさっさとぼくのデータ復旧しろよ!!」
ぼくが叫ぶと、運営?はふふふと笑った。
「データの復旧は出来ません。ですが……」
「は!?ふざけんな!」
「話は最後までお聞きください。データの復旧の代わりと言っては何ですが……」
「全く新しいファンタジークロニクル……リアルファンクロに招待致しましょう」
「な、何それ!どういうこと!?」
「従来のファンクロよりも、確実にご満足頂けるかと思います。ナルヨさまにはご迷惑をおかけしたお詫びとして、最初の無料ガチャで確実にURのキャラクターが召喚されるようにさせて頂きました」
何それ!?
ほんとに何言ってるかついてけないし、そもそもぼくの話を聞かないで勝手に話を進めないで欲しいんだけど……!!
「さあ、ナルヨさま。目を覚ましましょう。そしてガチャを回すのです」
「ま、待ってよ!ぼくの話も聞い……」