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その後は散々喋って食べた後、ぼくが色々と限界を迎えたので解散することに。
「たのしかったね!恋バナ!」
恋バナ……そうか。恋バナをする為に女子会を開いたんだったか。
その割には全くと言っていい程恋的な話に触れなかった要な気もするが……あれは恋バナと言って良いのだろうか。
「……あんなんで良かったの?」
「うん!すっごく楽しかったの!」
……まあ、アリス本人が物凄く満足そうだし……それで良いか。良いってことにしよう。
「それよりさあ……式部」
「……何でしょう」
ぼくは先程からずっと気になっていたことを口にする。
「何でぼくの一歩後ろを歩くの!?怖いんだが!?」
「ですが先輩、3人横並びは流石に危険かと」
せ、正論だ……!
じゃなくって!式部の場合はぼくの後ろにぴったりくっついてきてるから怖いんだが!?
しかも、ずっと一定の距離感で!
「それにこれは先輩の背後を守る為です。普通は自分の背後まで気が回りませんから」
うっ……そう言われたら流石に言い返せないぞ……。
「……仕方ないなあ」
結局、ぼくが折れる。
だがしかし。今回に限っては、式部の判断が正しいってことになる。
だって……
「……あのさあ!さっきからずっとつけてきてるよね!式部が殺気丸出しなの!流石のぼくでもわかるんだが!」
ぼくは振り返って叫ぶ。
まあ正直、式部が殺気を垂れ流していなかったらつけられていることに気づかなかったかもしれないが。
「チッ……一応気配は消してたつもりだったのに」
そう言いながら現れたのは……七夜だった。
第九話 おわり。