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リアル推しガチャ【第一部】  作者: 有氏ゆず
第六話 之ぞ解釈一致である
31/62

6-2





「いい加減になさいませ!!」


時は進んで現在お昼。

二人の顔が良すぎて囲まれるのは分かっていたので、ファストフード店でご飯を食べてるなうなんだが……さっそく織華さんの説教が始まった。


「あなた、何の為に入学したか理解していらっしゃるの!?」

「んー、可愛い彼女を作る為だろ?」

「ふざけないで!!芋煮さん達を守る為でしょう!?」

「なんでそんなに怒ってるんだよ。織華もあの子達みたいに笑ったら良いだろ?そしたらもっと綺麗だって」

「今はそんな話をしていません!!それに、あんな下品な方達とわたくしを一緒になさらないで!!」




ど、どうしよう。

これは織華さんガチで怒ってるぞ……。

何かフォローしたいが思いつかない。

式部は式部で「自分の不始末くらい自分でつけさせなさい」と言いたげにスルー。

どんだけ少納言のこと嫌いなんだ。


「む、むむ……これは、どこから口をつければ……」


……いや違う。

式部、さっきからハンバーガーの食べ方が分からなくて苦戦してるだけだ。

何だよそれ。めっちゃ尊い……!!




「……ああ。わかった」

「本当に分かりましたの!?ならこれからはちゃんと……」

「織華、あの子達に嫉妬してたんだろ」

「……は?」

「仕方ないなあ。今日はボク様の時間を織華に使ってあげるから機嫌直して……」








ダンッ!!







大きな音が店内に響いた。

織華さんが机を叩いて、立ち上がったんだ。


「……もう良いわ。あなたのことなんて、どうでも……。好きにすればいいでしょ、知らない。ばか」

「お、織華さ、」

「ごめんなさい。わたくし、今日は帰りますわ……。お代、ここに置いておきますから」


織華さんはぼくに無理して笑顔を見せ、荷物を持って出て行ってしまった。




「お、追いかけなきゃ……」

「待って。これはボクの不始末だからさ。ボクに任せてくれ」


……まあ正直、全面的にこの人が悪いってぼくも思うけど!!


「……ちょっとくらい、デリカシーは、持った方が良いと思う……」

「これは手厳しいなァ。まあ、織華のことはボクが一番分かってるから。大丈夫さ」


少納言はぼくの頭をぽんぽんと撫でて、織華さんを追いかけていった。

これなあ……イケメンじゃないと許されない行為だよなあ……。


ため息をつき、ハンバーガーに苦戦しているであろう式部の方を振り返ると……










「な、成世様……」






「マジでか……」









食べようとした時に滑ったのだろう。

床にはハンバーガーの具材。


そして目の前にはバンズだけを手に、泣きそうに震えている式部がいた。






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