6-2
「いい加減になさいませ!!」
時は進んで現在お昼。
二人の顔が良すぎて囲まれるのは分かっていたので、ファストフード店でご飯を食べてるなうなんだが……さっそく織華さんの説教が始まった。
「あなた、何の為に入学したか理解していらっしゃるの!?」
「んー、可愛い彼女を作る為だろ?」
「ふざけないで!!芋煮さん達を守る為でしょう!?」
「なんでそんなに怒ってるんだよ。織華もあの子達みたいに笑ったら良いだろ?そしたらもっと綺麗だって」
「今はそんな話をしていません!!それに、あんな下品な方達とわたくしを一緒になさらないで!!」
ど、どうしよう。
これは織華さんガチで怒ってるぞ……。
何かフォローしたいが思いつかない。
式部は式部で「自分の不始末くらい自分でつけさせなさい」と言いたげにスルー。
どんだけ少納言のこと嫌いなんだ。
「む、むむ……これは、どこから口をつければ……」
……いや違う。
式部、さっきからハンバーガーの食べ方が分からなくて苦戦してるだけだ。
何だよそれ。めっちゃ尊い……!!
「……ああ。わかった」
「本当に分かりましたの!?ならこれからはちゃんと……」
「織華、あの子達に嫉妬してたんだろ」
「……は?」
「仕方ないなあ。今日はボク様の時間を織華に使ってあげるから機嫌直して……」
ダンッ!!
大きな音が店内に響いた。
織華さんが机を叩いて、立ち上がったんだ。
「……もう良いわ。あなたのことなんて、どうでも……。好きにすればいいでしょ、知らない。ばか」
「お、織華さ、」
「ごめんなさい。わたくし、今日は帰りますわ……。お代、ここに置いておきますから」
織華さんはぼくに無理して笑顔を見せ、荷物を持って出て行ってしまった。
「お、追いかけなきゃ……」
「待って。これはボクの不始末だからさ。ボクに任せてくれ」
……まあ正直、全面的にこの人が悪いってぼくも思うけど!!
「……ちょっとくらい、デリカシーは、持った方が良いと思う……」
「これは手厳しいなァ。まあ、織華のことはボクが一番分かってるから。大丈夫さ」
少納言はぼくの頭をぽんぽんと撫でて、織華さんを追いかけていった。
これなあ……イケメンじゃないと許されない行為だよなあ……。
ため息をつき、ハンバーガーに苦戦しているであろう式部の方を振り返ると……
「な、成世様……」
「マジでか……」
食べようとした時に滑ったのだろう。
床にはハンバーガーの具材。
そして目の前にはバンズだけを手に、泣きそうに震えている式部がいた。