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リアル推しガチャ【第一部】  作者: 有氏ゆず
第一話 悲劇は突然訪れる
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1-2




「ふむ。結局遅刻して反省文を書かされ……それで成世氏は部活に遅れたのだと」

「はう。すまぬなサスケ氏」


ところ変わって小さな部室に部員が2人。

ぼくは文芸部(という名のオタサー)に所属しているのだ。

もう一人の部員はサスケ氏。

本名は……何だっけ。忘れちゃった。


サスケ氏は数少ないぼくの友達。

口調はちょっと変だけど、バリバリのオタク。

勿論、ファンクロもやってる。


「良いのでござる。成世氏とファンクロ談議することこそが拙者の生きがい故」

「うう、サスケ氏…!ぼくにはもう、サスケ氏しかいないよぅ…!」

「ははは。成世氏の相棒はただ一人、式部氏だけでござるよ」

「はっ!そ、そうだった!ごめんよ式部!浮気じゃないんだ!ぼくは式部だけ!式部のお嫁さんだから!!」




……式部(しきぶ)


それはぼくのファンクロの中の推しだった。

いや、もうファンクロの中だけの話じゃなかった。

ぼくは式部にガチ恋をしていて、大好きで大好きで愛してて結婚したくて。


式部はURキャラ……いわゆる最高レアのキャラなんだけど。

正直、彼はURの中では外れだと言われていた。

非常に扱いづらいキャラなのだ。


それに加えてプレイヤーに対して一切デレない。

大体のキャラは育てていくとデレを見せてくれたりするのだが、式部は自分のことを人形だと思っているキャラであり、それ故に他人と距離を縮めたがらない……言ってしまえばデレてくれないキャラだった。


だから式部を扱うファンクロプレイヤーは非常に少ない。




……でも。


でも!!




『初めまして。私は式部……あなたに使われる為だけの存在です』




初めて式部を引いた時、ぼくは運命かと思ったんだ。

一目惚れだった。

それほどまでに、式部はぼくの好みの男性だったんだ。


だからぼくは式部を育てた。

例え彼がデレてくれなくても関係無かった。

そんなことでぼくの式部への愛は変わりはしなかった。




家が裕福だったせいもあり、式部の新衣装が出る度に課金して課金して……気づけばぼくは上位ランカーになっていた。


上位ランカーで式部を使っているのはぼくだけだったから、偉く有名になった。

自分が「式部の人」みたいな扱いをされているのは、気分が良かった。




そう、まるでぼくと式部が公式カプだと認められているような優越感。


ああもう。式部のこと考えたら、また頭がふわふわして……。





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