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副会長と彼の手持ちのキャラクターエジソンが助けに来てくれた。
エジソンが電球を光らせてくれている時に銀行に居たサスケ氏含め全員は避難し、残っているのはぼくらだけ。
後は警察が到着したら終わり。
ぼくが完全に勝ちを確信していたその時だった。
「姉ちゃん!!」
「鳴海……!?」
我が弟よ、何故ここに!?
「……今だ!!」
副会長の一瞬の隙をついて、銀行強盗は手持ちの式部に命令する。
彼の向かう先は……副会長だ!
彼は副会長から銃を奪い、銀行強盗に投げ渡す。
「えっ!?あれ!?神様が二人!?」
「黙れ!!」
混乱して喋ってしまったことにより、銀行強盗のターゲットが鳴海になってしまったらしい。
「やめて!撃たないで!!」
ぼくは鳴海を守ろうと必死に叫んだが、銀行強盗は自暴自棄になってしまったらしく、引き金を引いた。
赤い、血が、舞った。
「な、なる……み、」
ぼくは崩れ落ちるように座り込んでしまったが、撃たれたのは鳴海ではなかった。
「……ぐ、ワシを、忘れておった、ようじゃな……」
代わりに弾を受けてくれたのはエジソンだった。
腹に当たってしまったらしく、苦しそうに息をしている。
「お、おい!大丈夫かよ!」
「安心せい……。お主の姉ちゃんは、無事じゃ……」
「そ、それは良かったけど!でもアンタが……!!……ど、どうしよう!姉ちゃん!?」
鳴海がぼくを縋るような目で見つめてくる。
どうしようって言われたって、でも、わかんない……!!
「成世様、」
「……ぁ、」
突然背後から聞こえてきた声は、ぼくが今最も縋りたかった声だった。
「貴方が困った際には、私の名を呼べば、助けを求めて下されば良いのです」
「ぁ、あ……」
「大丈夫。そうすれば、全て解決してみせます」
……そうだった。
だからぼくは叫んだ。
「助けて式部っ!!」