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「さ、サスケ氏……!」
急に叫んだせいで、サスケ氏は銀行強盗に撃たれた。
撃たれたと言っても肩を掠めるくらいだったが、それでも出血し、肩を押さえている。
「黙れって言ったろ!!次は本気で撃つからな!?」
「くっ……!こんな、こんなしきなる、拙者は認めないでござる……。しきなるは、もっとイチャイチャでほのぼのでハピエンしか、拙者は……」
サスケ氏、気持ちは分かったからちょっと黙っててくれ……。
ほんとに殺されかねないから……君は寿命を縮め過ぎだ……。
「……やれやれ。これが今日のクエストかな?」
何処からか男性の声が聞こえてきて、銀行強盗は声のした方に銃を向けた。
「ふ、副会長……!?」
「やあ、芋煮さん。まさかこんなところで会うとはね。銀行強盗に捕まるなんてレアな経験じゃないか」
声の主はぼくの通う学校の生徒会副会長……桜美嵐だった。
というか、何で今日はこんなに煽る人が居るんだ……!
捕まってるぼくの気持ちも考えてくれ……!!
「見たところURだけど、使いこなしていないみたいだね」
「黙れ!!撃つぞ!!」
「撃つと良いよ。無駄だから。……エジソン!!」
「ふむ、ワシの出番じゃな?」
何処からか女子の声がしたと同時に銃声が響く。
ぼくは思わず耳を塞いだが……
…………弾は誰にも当たっていなかった。
「その僕は映像だよ。エジソンの発明、知らないの?」
「ほむ!ワシの発明はそれだけじゃないぞい☆そーれ、ぴっかーん!!」
な、何!?
大きな電球のようなものが現れたと思ったら……なんか急にめちゃくちゃ眩しく輝き出したんだけど!?
「……さあ、大丈夫?」
「はっ!」
気づけばぼくは副会長に抱き抱えられ、救出されていた。
銃もしっかり奪っている。
って、そんなことより……!
「エジソン!?」
「ほう、ワシのことを知っておったか!さてはお主、リアルファンクロプレイヤーじゃな?」
「あっ……」
プレイヤーだとバレるのは狙われる元になるからまずい……!
思わず口を塞いだが無意味だったらしい。
「ランは最初からお主をプレイヤーだと見抜いておったぞ?だから隠しても無駄なのじゃ」
「君とはいつか話をしようと思ってたけど……とりあえず目の前のことを片付けてからね」
「ほむ!あいつらをぶっ飛ばしてやればいいのじゃな?」
「……お手柔らかにね?」