表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題シリーズ2

感情 嘆き

作者: 仲仁へび



 その少年は嘆かずにはいられなかった。


 なぜなら、少年の家庭環境は、身の回りはひどいものだったからだ。


 母は物心ついてすぐに蒸発。


 父は暴力をふるってばかり。


 兄はよろしくない者達とつるんでいる。


 姉は病院から一歩も出られない。


 少年は、家族というものを知らずに育つしかなかった。


 年を一つとるごとに嘆いて。


 まわりの人間と比べるごとに嘆いて。


 家に帰るたびに、家から出るたびに嘆いていた。


 やがて、大きくなった少年は嘆く事をやめた。


 相変わらず母はいなくて、父は暴力的で、兄は素行がよろしくなく姉とは面会できない。


 嘆いても、問題は何も解決しないと理解したからだ。


 少年は家を出る事にした。


 ここに居続けていては、嘆く事しかできないと理解したからだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ