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アラン戦線 包囲されし大隊  作者: 宇佐美桂
2/8

2日目

敵の主力軍の位置が分からない事や負傷者の状態、弾薬や物資等の心配事だらけで頭を悩ませているが敵はどうやら気が付いていないかもしれない、元々、戦略的価値が低い場所である事や帝国の主力軍が後退して公国の師団も前進している事もあってか、多くの部隊を投入していないと思われる。しかしここに我々がいる事は昨日の騎兵隊でバレてしまった。包囲を突破しようにも相手は編成は軍である事や大隊程度なら勝てはしないだろう。 色々、思考を巡らしている所で下士官が伝書鳩の伝令を読み上げた。


「第4軍配下の第51師団、第52師団は損害が大きく再編成を行っているとの事である、そして応援として精鋭の第14師団と新設された第56戦車師団を応援に向かわせるとの事です」


「そうか…包囲を察知されないように気を付けなければならないな」


下士官と話していると管楽器と打楽器による音楽の音色が聞こえてきた。


「全員!塹壕の中に入れ!」


相変わらず呑気に軍隊の行進ごっこをしているなと思っていた所、銃声が聞こえてきた。


「誰だ!撃ったのは!」


弾薬の消費を考えて、敵を視界に入れてから撃つように命令していた。が、しかし…。


「敵です!散兵戦術を駆使した部隊と、戦列歩兵の部隊のようです!」


潜望鏡を覗いていた兵士から聞こえた。


「厄介だな、塹壕からあまり頭を出すな!狙撃されるぞ!」


これでは機銃が使えないが兵を無駄に損失させるよりマシだろうと考え、MG8の機銃手は敵兵が見えるまで塹壕内で過ごした。


「戦列歩兵の部隊が見えました!しかし散兵戦術の部隊は見えません!どうします?」


「仕方ない!これ以上接近されては塹壕内で戦うことになる!総員!迎撃せよ!」


体を塹壕から出した瞬間に撃たれた兵士が何人かいたが衛生兵に任せ、機銃掃射と小銃による一斉射撃の弾幕による攻撃で敵兵は大勢倒れるが気にもせずに銃剣突撃をかましてきた。


近接戦に持ち込むのを防ぎつつ、防衛戦が突破されそうになった場合は予備兵にてサーベルと銃剣による白兵戦が繰り広げられた。 バーナー自身も何度も刺されそうになったが拳銃とサーベルによる手捌きによって何とか生存する事が出来た。


日没には敵兵も撤退した、屍の山が出来ていたがこちらも損耗が激しく67名が戦死、44名が負傷した、残りの戦力は467名。 この戦闘で物資が不足し始めてきた。 包帯が足りなくなっており戦死者のを使い回した。 弾薬は白兵戦もあってかまだ残っている。しかし何よりも食べ物が少ない。 分け合って、不味いKパンと粉末スープをかさ増しした物を口にした。 これで士気が保てるか心配であった。


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